武田薬品工業<4502>は、2019年1月8日に子会社化した、アイルランドの製薬会社シャイアーの2018年12月期決算を公表した。
それによると売上高は前年度比2.2%増の154億9000万ドル(1兆7039億円)と増収を達成。継続事業による営業利益も同32.2%の32億4500万円(3569億5000万円)と大幅な増収となった。
ただ、当期純利益については米国の税制改革の影響を受け、同45.5%減の23億2700万ドル(2559億7000万円)とほぼ半減した。
この結果について武田薬品のクリストフ・ウェーバー社長兼最高経営責任者(CEO)は「当社の買収提案が行われていた中、堅調な業績を成し遂げたことに祝意を表す」とのコメントを発表した。
シャイアーの2018年12月期は製品売上高が同3.9%増と好調に推移したもののロイヤリティ収益が減少し、売上高は同2.2%の伸びにとどまった。
継続事業による営業利益はオンコロジーフランチャイズの売却益(売却額は24億ドル=2640億円)、棚卸資産の調整による償却費の減少などから同32.2%の増益となった。
主な製品の売上高は免疫疾患が同5.7%増の46億2040万ドル(5082億4400万円)、血液疾患が同1.2%減の37億3830万ドル(4112億1300万円)、ニューロサイエンスが同11.1%増の29億5910万ドル(3255億100万円)、遺伝性疾患が同3.4%増の14億8610万ドル(1634億7100万円)だった。
また2018年中に、遺伝性血管浮腫の予防治療薬「TAKHZYRO」の米国、欧州、カナダでの承認取得や、新血漿製品「GAMMAGARD LIQUID」の米国での承認取得などが実現した。
これについてもクリストフ・ウェーバー社長兼最高経営責任者(CEO)は「今後数年間にわたる成長が促進される」と高く評価した。
シャイアーの2018年12月期の製品別の売上高(単位:百万ドル)
2018年 | 2017年 | 伸び率(%) | |
---|---|---|---|
免疫疾患 | 4620.4 | 4370.3 | 105.7 |
血液疾患 | 3738.3 | 3785.6 | 98.8 |
ニューロサイエンス | 2959.1 | 2664.1 | 111.1 |
遺伝性疾患 | 1486.1 | 1437.7 | 103.4 |
エスタブリッシュド・ブランド | 823.5 | 1044.7 | 78.8 |
内科疾患 | 813.5 | 625.6 | 130.0 |
眼科疾患 | 387.9 | 259.2 | 149.7 |
オンコロジー | 188.4 | 261.7 | 72.0 |
合計 | 15017.2 | 14448.9 | 103.9 |
文:M&A Online編集部