M&A Onlineが大量保有データベースで2023年4月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、施工不良問題(2018年5月に発覚)に端を発した経営難からの再建途上にあるレオパレス21について、英国の投資ファンドのオデイ・アセット・マネジメント・エルエルピーが3度買い増し、保有割合を8.46%に高めたことが分かった。
オデイは2018年8月にレオパレス21株を5.02%を新規保有したあと、2019年7月には16.86%まで買い進め、その後は売りに転じていた。
2022年7月に再び5.0%を新規に保有し、2023年4月28日に同時に3件の報告書を提出した。ただ報告義務発生日は2022年9月、同年10月、2023年1月となっており、2022年7月に新規保有したあと、徐々に買い増していたことになる。
レオパレス21については、光通信が2022年8月と9月に一度ずつ買い増ししており、保有割合は17.39%に達している。
経営難に陥っている料理レピシサービス大手のクックパッドについて、投資会社のバリスター(東京都千代田区)が5.4%を売却し保有割合を3.77%に引き下げるとともに、重要な契約などの変更届を一度提出した。
クックパッドの2022年12月期の営業損益は35億2000万円の赤字(前期は26億3200万円の赤字)だった。料理レシピの有料会員数の減少に伴い、広告収入も落ち込んだのが不振の要因で、今年に入り希望退職を2度募集している。
このほか日本製鉄が7件の報告書を提出した。日阪製作所とシンニッタンを新規保有(保有割合は5.19%と6.87%)したほか、サンユウ、三晃金属工業、共英製鋼、ジオスターの4社については1.35%-5.98%を買い増した。いずれも政策投資 (営業活動の円滑な推進)を目的にしている。また、日鉄物産については非公開化を目的に35.21%を買い増し、保有割合を90%に高めた。
麻生は若築建設を1.03%買い増し、保有割合を31.56%に高めた。同社では「安定株主として長期にわたり保有する予定」としている。
2023年4月の大量保有報告書などの提出件数は1004件で、このうち保有割合を増やしたのが239件、新規保有が145件、保有割合を減らしたのが525件、契約の変更などが95件だった。
文:M&A Online