東大、阪大発の創薬ベンチャーに売り「ローランド」は買いに 2022年2月の大量保有報告書

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M&A Online編集部が大量保有データベースで2022年2月の大量保有報告書などの提出状況を調べたところ、東京大学、大阪大学発の創薬ベンチャー2社が売られていることが分かった。

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大塚製薬は、東大発創薬ベンチャーであるリボミックを、5度売却し保有割合を5.38%下げ、7.74%とした。リボミックは長期にわたって営業赤字が続いている。

阪大発創薬ベンチャーであるファンペップについても、阪大教授で阪大発創薬ベンチャー・アンジェスの創業者でもある森下竜一氏が3度売却し、保有割合を3.17%下げ18.0%とした。ファンペップもリボミック同様赤字基調にある。

日本電産がOKKの66.06%を保有

一方、電子楽器を手がけるローランドには買いの動きが広がった。英国投資会社のジュピター・アセット・マネジメント・リミテッドがローランド株5.03%を新規保有したほか、米国投資会社のFMR LLCも1.07%買い増し、保有割合を6.29%に高めた。

2022年1月にはローランドの筆頭株主であるタイヨウ・ジュピター・ホールディングス・ジーピー・エルティディーが保有株を米国の投資会社ミネルバ・マネジメント・インクに売却し、保有割合が50%を割り込んでいた。

新規保有したジュピター・アセット・マネジメント・リミテッドは保有理由を「投資一任契約に基づく純投資」としており、FMR LLCも「顧客の財産運用のため保有」したとしている。

日本電産は工作機械メーカーOKKの66.06%を新規保有し、子会社化した。「両社の技術力、ブランド力、顧客基盤を相互に活用してグローバルベースでの工作機械市場の発展に貢献する」としている。今治造船も業務提携を目的に、中国塗料の5.02%を新規保有した。

また、通信と情報システムを手がける都築電気は、富士通が2.45%買い増し保有割合を11.91%としたほか、麻生も4.07%買い増し、保有割合を22.3%に高めた。

2022年2月の大量保有報告書の提出件数は875件で、このうち保有割合を増やしたのが255件、新規保有が130件、保有割合を減らしたのが430件、契約の変更などが60件あった。

文:M&A Online編集部

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