menu
Social media

大量保有報告書でM&Aの動向がわかる!(前編)

Cover a4d3fd74 7bd5 42f8 82ea de7b2959c6a9

●企業側が見るべきポイント

最近、ソレキア株式会社に対する富士通株式会社と佐々木ベジ氏のTOB合戦が話題になっています。ソレキアは富士通によるTOBには賛成していますので、佐々木氏による買収攻勢に対して以前よりソレキアと関係の深い富士通が助け舟を出している(ホワイトナイト)という形です。

上場企業であれば、自社の株式を誰がどれくらい売買しているのか、本格的に買収を考えている会社はあるのかが気になります。特に敵対的買収を突然仕掛けられる可能性はどの企業にもあり、その兆候をつかむことは上場企業にとっては重大事です。水面下で買い進める手法を取られると、気づいたときにはかなりの株式を握られている可能性もあります。

今回のTOB合戦は佐々木氏がソレキアに対する「公開買付届出書」を2017年2月3日に関東財務局長宛に提出したことで始まりました。しかしながら大量保有報告書DBを見ると、フリージア・マクロス社が2016年からソレキア株式を買い始めています。フリージア・マクロス社は佐々木氏が束ねるグループ会社の一員です。大量保有報告書には早い段階でTOBの兆候が出始めていたのです。

(2017年4月10日時点の「大量保有報告書DB」を検索)

敵対的買収の兆候としては、株価や出来高の突然の乱高下、大きな市場外取引、株主名簿の閲覧請求やそれに関する株主や取引先などからの照会などがあります。とはいえ日々推移する株主を全て追いかけることはできませんし、株主名簿では情報更新がそこまで頻繁に出来ません。

また、大きなファンドが複数のアカウントを経由して保有していると合計の保有割合は簡単にはわかりません。実際、上場企業の株式管理を担当者の中には、株主名簿にも記載のない投資会社が自社の株式を大量に持っているという大量保有報告書を提出し、びっくりした経験を持つ人もいるかもしれません。

ソレキアのケースは、大量保有報告書に目を光らせておくことで敵対的買収の兆候を掴める好例と言えるでしょう。早く保有者を把握すれば早く対応を取ることもできます。グループで株式を保有する共同保有の場合でもそれらを合算した大量保有報告書が提出されますので、実質的な保有者や保有比率を把握することができます。敵対的買収のリスクに向き合っていくためには大量保有報告書は必須の情報源と言えるでしょう。

また、大量保有報告書は上場企業であれば一般に公表されていますから、同業他社を取り巻くM&A状況が見えてくることもあります。自社や業界を取り巻く外部環境を理解する上でも大量保有報告書は活用したいところです。

まとめ

大量保有報告書は、EDINETで一般に公開されており誰でも見れる
・企業側は敵対的買収の兆候がつかめる

次回(個人投資家が見るべきポイント)に続く

M&A Online編集部

大量保有報告書データベースはこちら
M&Aの動向がわかる! 大量保有報告書速報メール メールマガジンの登録はこちら

大量保有報告書

NEXT STORY

大量保有報告書でM&Aの動向がわかる!(後編)

大量保有報告書でM&Aの動向がわかる!(後編)

前編では、大量保有報告書とはどういうものなのか、企業側が見るべきポイントとは何かについて解説しました。今回は、個人投資家が見るべきポイントについてお話したいと思います。


注目の記事

Thumb fc758a30 9e49 4944 852f 5ed8848b7dbd

人事・総務のプロに聞く「M&Aにおける人事労務の留意点」その1

M&Aというと、買収価格等の条件面が注目されがちだが、「ヒト」の問題に関しても周到に準備しておかないと、労務トラブル等で思わぬコストが発生する、ということになりかねない。今回はM&Aを行う際の人事労務関係の留意点や制度統合などに関して、社会保険労務士法人三島事務所でM&Aに関する人事制度策定やコンサルを多数手掛けている林英臣マネージャーに伺った。

Thumb aab5828a 4508 4f87 9de8 fbb6c17f616d
Thumb 908a9947 090a 4a59 95da 01affa6e6c70
Thumb e1cc3fb2 2d9a 4362 945f ba6d406ee29f