回転ずし「スシロー」などを展開するFOOD & LIFE COMPANIES<3563>が、2021年9月期の営業、税引き前、当期の全段階の利益の予想を上方修正した。
いずれも当初予想より20%を越える増益となっており、コロナ禍にあった前期(2020年9月期)はもちろん、コロナ前の前々期(2019年9月期)をも大きく上回る(26-95%の増益)利益水準となる。
コスト削減や、営業時間短縮による時短協力金などの補助金約70億円を計上するほか、買収した持ち帰りずしの京樽とその子会社2社が2021年9月期第3四半期から業績に加わったため、利益が上振れする。
一方、売上高は当初予想よりも3%減少するものの、こちらも前期、前々期に比べると20%前後の増収となる。大幅な増収増益の中身を見てみると。
FOOD & LIFE COMPANIESが2021年8月10日に発表した2021年9月期第3四半期決算では、新型コロナウイルス感染症拡大による緊急事態宣言などで厳しい経営環境が続く中、京樽の買収により店舗数が大きく増えたことで業績が伸びたことが分かる。
国内ではスシローブランドが37店舗増え596店舗に、杉玉ブランドが9店舗増え34店舗になったのに加え、京樽ブランド150店舗、海鮮三崎港・三崎丸ブランド106店舗が新たに加わった。
この結果、海外やその他のブランドなどを含めた全店舗数は前年同期の624店舗から347店舗増え、971店舗へと大きく伸びた。伸び率は1.5倍強になる計算だ。
店舗数の増加に伴い、売上高は前年同期比18.6%の2ケタ増収となり、利益は営業利益が2.1倍に、税引き前利益が2.4倍に、当期利益が2.5倍に、いずれも2倍を超える増益となった。
このため通期の利益見通しを上方修正したもので、売上高は2430億円(前年度比18.6%増)、営業利益210億円(同74.1%増)、税引き前利益197億円(同87.0%増)、当期利益126億円(同95.1%増)と、いずれも大幅な増収増益の見通しとなった。
同社ではテイクアウト店の出店に力を入れており、2021年9月期第3四半期ではスシローブランドで8店舗(内1店舗は海外)、杉玉ブランドで4店舗の、合わせて12店舗を出店。業績好調の一因にもなった。
今のところ、テイクアウト店舗の出店のペースを落とす兆候はなく、新型コロナウイルス感染症の収束が見えない中、こうした店舗の出店加速に伴い、今後も当面の間は、業績は順調に推移しそうだ。
【FOOD & LIFE COMPANIESの業績推移】単位:億円、2021年9月期は予想
2019年9月期 | 2020年9月期 | 2021年9月期 | |
売上高 | 1990.88 | 2049.57 | 2430 |
営業利益 | 145.46 | 120.61 | 210 |
税引き前利益 | 143.63 | 105.36 | 197 |
当期利益 | 99.59 | 64.57 | 126 |
文:M&A Online編集部