「回転ずし」と「ビール」10月1日に一斉値上げ

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写真はイメージです

2022年10月1日に、回転ずしチェーンの「スシロー」と「くら寿司」がそろって値上げする。ビールも「アサヒビール」「キリンビール」「サッポロビール」「サントリー」の大手4社が一斉値上げに踏み切る。

原材料価格やエネルギーコストの上昇などを背景に、食品や飲料で値上げが相次いでいるだけに、すしとビールの値上げは致し方ない面はあるものの、賃金の上昇が見込めないサラリーマンにとっては痛手であることは間違いない。

一体、どのくらい値上がりするのか。

都市型店舗で一段高に

スシローは店舗を郊外型、準都市型、都市型の三つに区分し、それぞれ値上げ幅を変える。例えば最も低価格の黄皿のケースでは、郊外型では110円が120円に10円アップし、準都市型では121円が130円に9円上がり、都市型では132円が150円に18円アップする。

さらに最も値段の高い黒皿は郊外型が30円、準都市型が29円、都市型が38円、中間の赤皿は郊外型が15円、準都市型が14円、都市型が23円それぞれアップする。

値上げ後の価格はいずれの色の皿も、郊外型より準都市型が10円高く、都市型は郊外型より30円高く設定されている。値上げ前は、それぞれの色の皿の価格差は11円だったため、今回の値上げによって都市型店舗の価格が一段と上昇することになる。

スシロ―は、どの店舗がどの区分になるのかを公表している。それによると東京都心部は都心型と準都市型が中心で、郊外では駅前は準都市型で、少し離れると郊外型になるといった具合だ。当然ながら郊外の駅から離れた店舗が一番「お得」ということになる。

柔軟な価格設定が可能に

くら寿司は、現在の110円の商品を10月1日以降は115円に引き上げる一方、現在220円の商品を165円に引き下げる。対象となる店舗は519店舗中488店舗で、グローバル旗艦店、都市型店舗、プラス型店舗などの店舗での価格は異なる。

現在の価格は、1皿110円と、皿を2枚重ねた220円の2種類だけだったが、異なる価格帯の商品を開発しても、自動で正しく計算できるシステムを構築したことで、柔軟な価格設定が可能になった。同社では、これまでの制限された価格設定にこだわらず、今後魅力的な商品開発を進めるという。

ビールは10%前後の値上げか

一方、ビール大手4社による一斉値上げは14年ぶりとなる。値上げ幅は4社それぞれだが、10%前後になる見込みで、4社では合わせて発泡酒や第三のビール、チュウハイ、サワー、ウイスキーなども値上げする。

10月以降は、ビールを片手にすしをほおばる回数が減るかも知れない。

文:M&A Online編集部