東京・大阪のスポーツクラブ、1カ月以上に及ぶ休業からようやく「営業再開」へ

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営業再開を持つコナミスポーツの都内の店舗

9都道府県を対象とする緊急事態宣言の延長を受け、スポーツクラブ各社は当該エリア内の店舗における6月1日以降の対応についてぎりぎりの調整に追われている。

とりわけ、注目されるのが休業が1カ月以上に及ぶ東京都と大阪府での営業再開の行方だ。今回、東京都、大阪府ではスポーツクラブを含む百貨店や映画館など大規模商業施設(1000平方メートル超)の休業要請が緩和されたことから、スポーツクラブも営業再開が見込まれる。

コナミスポーツは31日夕方を、関西地盤で大阪ガス系列のコ・ス・パは31日17時を目安に対応を公表する予定。具体的な公表時間帯は明らかにしていないが、セントラルスポーツ、ルネサンス、ティップネス、メガロス、スポーツオアシスなど他の主要クラブの対応も31日に出そろう見通しだ。

“スポーツクラブ難民”が生まれた東京・大阪

新型コロナウイルス感染対策の緊急事態宣言が6月20日まで延長されたのは北海道、東京、愛知、大阪、京都、兵庫、岡山、広島、福岡の9都道府県で、これまでの期限は31日だった。

4月25日に先行して発令された東京、大阪、京都、兵庫の4都府県は2度目の延長。前回5月12日の延長時、スポーツクラブを含めた大型商業施設はそれまでの休業要請から20時までの時短営業に要請が緩和されたが、東京、大阪は知事判断で休業要請が継続された。

このため、スポーツクラブ大手は全国展開する店舗のうち東京、大阪の店舗(小型店舗を除く)について休業を続けてきた。主要クラブでは唯一、ゴールドジムが東京、大阪の店舗で営業面積を制限したうえで営業再開に踏み切った。

今回の宣言延長では、東京、大阪とも1000平方メートル超の大型商業施設が従来の休業要請から時短要請に切り替わったことから、各スポーツクラブとも営業再開の前提が整ったことになる。

東京、大阪のスポーツクラブ会員は店舗休業で4月末から1カ月以上も、行き場を失ったままの“難民”状態。県境をまたぐ他店利用もシャットアウトされてきた。それだけに待ちに待った営業再開の朗報だ。

土日の営業はどうなる?

もっとも、悩ましい問題は今回も付きまとう。スタジオレッスンの予約は営業再開を前提としてWebなどで受け付け済みだが、20時以降の予約はすべてキャンセルになる。スポーツクラブ側も、20時に終了するレッスン時間の前倒しといったタイムスケジュールの変更に伴い、システム上の対応も急きょ迫られる。

もう一つ、焦点となりそうなのが土日の取り扱い。東京、大阪では、人出(人流)抑制の観点から土日の百貨店やショッピングセンターなどの営業について休業要請を継続する方向。京都、兵庫では前回の宣言延長で休業から時短に要請が緩和された際、土日を休業したスポーツクラブもあり、今回、対応が分かれる可能性もある。

文:M&A Online編集部