スポーツクラブ大手の4~6月期、コナミ・セントラルが3年ぶりに売上高100億円を回復

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コナミスポーツの都内店舗

スポーツクラブ大手の2022年4~6月期(第1四半期)決算は通常営業の下で2ケタの増収が相次いだ。コナミスポーツ、セントラルスポーツの売上高は第1四半期として3年ぶりに100億円台に戻した。底ばい圏ながら、本業のもうけを示す営業損益も総じて改善が進んだ。

ティップネス筆頭に2ケタ増収

昨年4~6月期は3度目の緊急事態宣言と重なり、東京都、大阪府、京都府、兵庫県の店舗では自治体からの要請で5月末まで臨時休業となった。同6月から通常営業を再開して以降、休業もなく今日に至る。

こうした中、2022年3月期業績は回復傾向が顕著となり、コナミスポーツ(コナミグループ傘下)、ルネサンスは3年ぶりに通期で営業黒字に転換し、セントラルスポーツは営業黒字幅を拡大した。

前期の流れを受け、新年度の始まりである4~6月期もティップネス(日本テレビホールディングス傘下)の前年同期比31%増を筆頭に2ケタの売り上げ回復を見せた。東海地区を地盤とするホリデイスポーツ(東祥のスポーツクラブ部門)は前年に休業措置を免れたこともあり、0.5%増の横ばい圏にとどまった。

各社の売上高をコロナ前の2019年4~6月期と比べると、コナミ70%、セントラル76%、ルネサンス88%、ティップネス70%、ホリデイスポーツ60%、メガロス(野村不動産ホールディングス傘下)85%の水準まで戻っているが、バラつきも否めない。

コナミスポーツ、運営受託に軸足

コナミスポーツの売上高の回復が鈍いのは事業戦略の方向転換が作用としていると見られる。同社はコロナ前に全国で180を超えていた直営店舗を30以上閉鎖する一方、自治体などからのスポーツ施設の運営受託を大幅に増やし、その数は約220に上る。施設を持たない形でネットワークを拡大するビジネス形態に軸足を移し、固定費負担が少ない利益重視の経営にかじを切ったのだ。ちなみに、セントラルスポーツは直営182店舗に対し、受託60店舗。

売上高を左右するのが会員動向。スクール会員の回復が先行し、ここへきてフィットネス会員についても減少に歯止めがかかり、底打ちしつつある。セントラルスポーツはフィットネスとスクールを合わせた総会員数(6月末)について前年比99.7%としている。ルネサンスでは会員数(同)が11.2%増となり、計画を上回る結果になったという。

エネルギーコスト上昇が圧迫要因に

利益面は前期(2022年3月期)までに最悪期を脱したとはいえ、なお厳しい状況に置かれている。4~6月期段階ながら、ルネサンス、ティップネスが営業赤字を計上。ルネサンスの場合は新規3店舗の開業費用などを織り込んでいるためで、通期では12億円の営業黒字(前期は9.1億円の黒字)を見込む。

今後、収支改善の圧迫要因として懸念されているのがエネルギー価格の高騰だ。空調・照明やプール、浴室の燃料費などの運営コストが急速に上昇しており、スポーツクラブ各社はやり繰りに頭を悩ませることになりそうだ。

◎スポーツクラブ大手の2022年4~6月期業績(単位億円、△は損失)

売上高 営業利益 直営店舗
コナミスポーツ 109(17%増) 4(ー) 146
セントラルスポーツ 103(12%増) 1(22%増) 182
ルネサンス 97(18%増) △0.54 102
ティップネス 64(31%増) △2.56 167
メガロス 36(24%増) 非開示 44
ホリデイスポーツ 30(0.5%増) 非開示 101

※コナミスポーツはコナミグループ、ホリデイスポーツは東祥、メガロスは野村不動産HDの部門業績に基づく。ティップネスの店舗数は24時間ジム「FASTGYM24」110店舗を含む。

文:M&A Online編集部