盛り返すか海外旅行 スペインが入国規制を全解除「HIS」は幼児の旅行代金を0円に

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スペインのエスベドラ島 磁力が強くパワースポットとして知られている

日本貿易振興機構(JETRO、東京都港区)によると、スペイン政府は日本からスペインに入国する際の新型コロナウイルス関連のワクチン接種証明書や、回復証明書、陰性証明書の提示義務を撤廃した。

外務省の調べでは、日本からの渡航者や日本人に対し、入国制限や行動制限をしている国と地域は124あり、世界の国(196カ国)の60%強が規制を継続しているものの、徐々に撤廃の方向に向かいつつある。

円安を背景に増加する訪日外国人旅行客(インバウンド)に注目が集まる中、今後は日本出発の海外旅行にも動きが現れそう。すでに、エイチ・アイ・エス(HIS)<9603>は、2022年11月10日から2023年3月31日の間に日本出発の米国グアム行きツアーで、幼児の旅行代金を0円にするキャンペーンを始めた。

米国はワクチン接種証明の提示が義務付けられており、制限措置は残っているが、人気観光地を対象にしたキャンペーンを展開することで、海外旅行ムードを盛り上げる狙いがありそうだ。

米国ではワクチン接種証明が必要

スペイン政府は10月21日から、欧州連合(EU)とEFTA(アイスランド、ノルウェー、スイス、リヒテンシュタイン)以外の日本を含む国々から、スペインに入国する際の規制をすべて解除した。

EU、EFTAからの入国者については、夏季のバカンス期に合わせて6月上旬に全ての規制を撤廃済みだったが、西欧の主要国では唯一、日本からの入国に規制を設けていた。

一方、現在日本からの渡航者や日本人に対する入国制限を行っているのは、米国をはじめ、中国や韓国、台湾、インドなどがある。

米国ではワクチン接種証明の提示のほかに、入国3~5日後に、新型コロナウイルスの検査を受けることや、入国後の検査結果が陰性であっても、丸5日間は自己隔離することなどが求められる。

大人2人あたり幼児1人が無料

HISのキャンペーンは、日本帰着日に0歳~2歳未満で、航空座席とホテルのベッドを使用しない幼児を対象に、大人2人あたり幼児1人が無料になるという内容。

合わせてグアム旅行支援適用商品であれば、ツアー代金の5000円割り引きや、対象ホテル滞在でレストランやミニバーでの支払いに使えるルームクレジット(30ドル、50ドル)が利用できる。

グアムは日本から約3時間半で行けるリゾートで、多くの日本人が訪れている。2022年は日本とグアムの初就航から55年という節目の年に当たるという。 

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文:M&A Online編集部