ソフトバンク級の通信障害でも困らない「最低限の自己防衛」とは

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12月6日13時39分ごろから18時4分までの間、全国でソフトバンクや同社系列のワイモバイルの4G(LTE)携帯電話サービスで大規模な通信障害が発生した。原因は懸念されていたサイバーテロではなく、エリクソン製交換機のソフトウエアの異常だった。交換機のソフトウエア異常となれば、また起こりうる。さらには他キャリアにとっても対岸の火事ではない。

今回の通信障害では「メールが送れない」「2次元バーコードの表示ができない」「地図アプリが使えない」「電話ができない」など、スマートフォンユーザーが頭を抱える事態が多数発生した。万一、同様の通信障害が発生したら、どうすればいいのだろうか?

1.無料WiFiサービスを利用できるようにしておく

大震災などの激甚災害を除けば、携帯回線がダウンしても光ファイバーで結ばれているWiFi(無線LAN)は生きている。自宅や会社ではWiFiを自動接続設定にしていて、外出先で携帯回線がつながらないことに気づいた人も多かった。ならば外出先でもWiFiを利用できるようにしておこう。

無料WiFiも普及しており、追加費用がかからないのも魅力。都市部では見つけるのに苦労しないだろう。特に繁華街や駅周辺なら、必ず無料WiFiが存在する。東京都営バスのように移動中の公共交通機関で無料WiFiを利用できることも。無料WiFiが少ない地方でも、大手コンビニは店舗での無料WiFiサービスを提供している。困ったらコンビニへ行こう。

名古屋・久屋大通沿いの無料Wifiスポット(Photo By kyu3)

通信障害が起きてから初めて無料WiFiに接続しようとすると、利用登録ができないなどの二重トラブルに巻き込まれがち。通信回線が利用できる平時のうちに、設定を済ませておこう。実際にテストして、問題なく使えるかどうかも確かめておくべきだ。

無料WiFiはサービスを提供する店舗ごとに設定が異なるため、複数の利用登録には手間がかかる。WiFi自動接続アプリを利用すれば簡単に登録が完了し、無料WiFiサービスの選択肢も広がる。「タウンWiFi」や「Japan Connected-free WiFi」など、さまざまなアプリがある。「自動接続先が多い」「通信速度を計測して最速WiFiを自動選択する」などそれぞれの特徴があるので、自分の用途に最適なアプリを選ぼう。

ただし、無料WiFiには「セキュリティーが甘い」という欠点もある。通信を暗号化してくれるVPNアプリもインストールしておこう。「VPNネコ」や「VPN Master」といった無料で使えるアプリもある。無料WiFi接続時には、アプリの立ち上げを忘れないように。立ち上げっぱなしにすることも可能だが、VPNを使うと通信速度は低下する。携帯電話回線やセキュリティーの高い自宅や会社のWiFiで接続している時には、VPNアプリを利用しない方が良い。

2.必要なデータは前もってダウンロードしておく

最近では入場券や航空券も2次元バーコードで代用されることも多く、いざ会場入口や搭乗口で通信障害に見舞われると焦るものだ。2次元バーコードは単なる画像なので、表示された画面をキャプチャー(画面をそのまま画像として取り込むこと。「スクリーンショット」ともよばれる)して写真ホルダーに残しておけば、画像を呼び出して問題なく利用できる。

自分のスマホで画面キャプチャーまたはスクリーンショットを撮る方法は、「機種またはOS名」(アンドロイドやiOS)と「スクリーンショット」でネット検索すれば簡単に分かる。通常時でもキャプチャーした二次元バーコードを利用すれば、わずかではあるが通信データの節約になることも。

「地図アプリが使えず道に迷った」という人もいたが、こちらも前もって地図データをダウンロードしておけば、通信回線が利用できなくてもオフライン機能による道案内を受けることができる。しかし、残念ながらメジャーな地図アプリ「Googleマップ」のオフライン機能は日本国内の地図では使えない。

そこで「MAPS.ME」などのオフライン機能が使える地図アプリと、行動範囲の地図データをダウンロードしておけば安心だ。自宅や会社などのWiFi経由でダウンロードした地図データを利用すれば、常に地図データを取得しているGoogleマップよりもデータ消費は少ない。データ通信量を節約したい人には、日ごろからオフライン地図アプリの利用をおすすめする。

3.IP電話アプリをインストールしておく

今回の通信障害ではデータ通信だけではなく、音声通話も利用できない状況になった。こうしたトラブルに備えて、IP電話アプリをインストールしておこう。WiFiスポットさえみつかれば、音声通話による連絡が取れる。注意点は固定電話や携帯電話にもかけられるアプリを選ぶこと。同一のアプリ間でしか通話できないものもあるので注意すること。

月額料金がかかる「050plus」(税別300円)や「LaLa Call」(同100円)などがメジャーだが、「050call」のような月額料金無料のサービスもある。いずれも通話料金は別途必要だ。スマホの料金プランによっては、アプリを利用した方が電話料金が安いケースもあるので、常時利用も検討したい。

050で始まる電話番号が付与されるサービスがほとんどで、先方に番号を伝えておけば携帯回線と同様に受話も可能だ。料金支払用クレジットカードなどの登録が必要なため、前もってアプリのダウンロードと利用登録を忘れずに。

4.ケータイ・スマホの2個持ちならキャリアを変える

個人用とは別に会社からケータイやスマホを貸与されている人も多いはず。その場合、個人用は会社のケータイ・スマホとは別のキャリア(携帯通信事業者)を選ぼう。今回の通信障害でも会社のソフトバンクスマホはダウンしたが、個人用の他社スマホで連絡が取れて事なきを得たとの話も聞こえてくる。複数キャリアのケータイ・スマホがあれば、通信障害リスクを大幅に引き下げることができるのだ。

もしも個人用と仕事用が同じキャリアならば、個人用のケータイ・スマホを携帯電話番号ポータビリティー(MNP)で他キャリアへ移しておこう。キャッシュバックなどのうれしい特典もある。ただ、更新月直後など契約期間によってはMNPが高くつくケースもあるので、有利なタイミングを調べておきたい。ショップで相談すればアドバイスをもらえる。

文:M&A Online編集部