ソフトバンク<9434>は2021年7月に、独高級カメラメーカーのライカが全面監修する5Gスマートフォン「Leitz Phone 1」(ライツフォン ワン)を発売する。価格は18万7920円(消費税込み)と、かなり高額だ。カメラファン垂涎(すいぜん)の的となりそうなライカスマホは「買い」なのか?
「Leitz Phone 1」はカメラ機能を充実し、高級コンパクトデジタルカメラと同じ1インチ画像センサーを搭載。暗い場所や動きの早い被写体もきれいに撮影できるという。カメラ以外の性能は「普通の第5世代(5G)スマートフォン」だ。
実は「Leitz Phone 1」のベースはシャープ製の「AQUOS R6」。違いはライカのロゴとスマホのデザインだけだ。レンズも同じ。ライカの監修を受けたレンズは同社ブランドの「SUMMICRON(ズミクロン)」を冠しているが、製造しているのはライカではなくシャープ子会社のカンタツ(東京都品川区)だ。
つまり両スマホの「中身」は全く同じなので、ライカブランドに7万円を支払えるかどうかが「買い」の判断材料になる。もちろん「Leitz Phone 1」と「AQUOS R6」のどちらで撮影しても、同じ写真が撮影できるはずだ。
仕様比較表
機種名 | Leitz Phone 1 | AQUOS R6 | iPhone12 Pro |
---|---|---|---|
メーカー | シャープ | シャープ | アップル |
OS | Android | Android | iOS |
価格(税込) | 18万7920円 | 11万5632円 | 11万7480円 |
カメラ数 | 1 | 1 | 3 |
カメラ① | ƒ/1.9 | ƒ/1.9 | 超広角:ƒ/2.4 |
カメラ② | - | - | 広角:ƒ/1.6 |
カメラ③ | - | - | 望遠:ƒ/2.0 |
カメラ画素数 | 2020万/1260万画素 | 2020万/1260万画素 | 1200万画素 |
レンズ | 7枚構成 | 7枚構成 | 5~7枚構成 |
ディスプレイ | 6.6インチ 有機EL | 6.6インチ 有機EL | 6.1インチ 有機EL |
通信方式 | 5G Sub6帯 | 5G Sub6帯 | 5G Sub6帯 |
重量 | 212g | 212g | 187g |
2015年3月にパナソニック<6752>が、ライカ監修の1インチ画像センサーカメラと4G LTE通信機能を搭載したAndroid端末の「LUMIX DMC-CM1」を2000台限定で発売している。メーカーは違うが、その後継モデル的な位置づけだ。
もっとも「LUMIX DMC-CM1」はパナソニックブランドだった。カメラだけでなく、スマホもライカブランドで揃えたいという熱心なファンならば「Leitz Phone 1」は「買い」だろう。ただ、「良い写真を撮りたい」だけならば、全く同性能で7万円以上安い「AQUOS R6」をお勧めする。
文:M&A Online編集部