節分の恵方巻が値上がり「メリハリ消費」向けに1万円の商品も登場

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A5ランク松阪牛極上ロースの恵方巻(ニュースリリースより)

2月3日の節分の日に食べると、福を巻き込むといわれる恵方巻に値上げの波が押し寄せている。材料となる玉子焼きや海苔、かんぴょう、穴子、まぐろなどの価格がいずれも上昇しているためで、スーパーなどで売られている一般的な五目、七目の太巻きで70円ほど、高級な海鮮では160円ほどのアップになるという。

そうした値上げムードの中、集客の目玉として低価格の恵方巻で、価格を据え置く動きが見られる。その一方でイベントなどでの出費を惜しまない「メリハリ消費」向けに1本1万円といった高額商品も登場する。

節分は一年間の無病息災祈る行事で、日本では平安時代に宮中行事として始まった。コロナ禍4年目となる2023年はどんな年になるだろうか。

一般的な恵方巻の平均価格は898円

帝国データバンク(東京都新宿区)がコンビニエンスストアや外食チェーン、スーパー、百貨店、日本料理店など104 社を対象に実施した恵方巻の価格調査によると、1本18センチメートル前後の一般的な恵方巻の平均価格は898円だった。

前年(825円)に比べると約8.8%、73円の上昇となっており、上昇額は「100円未満」が26社で最も多く、「据え置き」も22社に達した。

他方、高級志向の商品が多い海鮮恵方巻では平均価格が1633円となり、前年(1475円)より約10.7%、158円の上昇となった。上昇額は「150円以上」が31社で最も多く、次いで「据え置き」の25社、「150円未満」の12社と続いた。

神戸ビーフや松阪牛の恵方巻も

帝国データバンクによると、メリハリ消費の台頭を背景に高額商品が比較的好調で、使用する食材のランクを上げることで消費者へのお得感を訴求するケースもあったという。

超高額の恵方巻も、この流れに沿ったもので、ANAクラウンプラザホテル神戸(神戸市)は、館内の鉄板焼 北野で、神戸ビーフのサーロインと黒トリュフを使い、卵焼き、三つ葉、大葉などと巻いた「神戸ビーフ恵方巻」を1万円で販売する。一年に一度の節分を贅沢に演出するとしている。

ブランド開発や店舗運営などを手がけるカルネヴァーレ(東京都目黒区)も銀座三越本館地下2階GINZAステージで、「A5ランク松阪牛極上ロースの恵方巻」を3780円で販売する。仙台牛の肩ロース120グラムを中心に北海道産の数の子やエビなどをバランスよく融合させた。

高級恵方巻の福を巻き込む力は果たしてどのくらい?

文:M&A Online編集部