「天下一品」「一風堂」「スガキヤ」「岐阜タンメン」などのラーメン店が相次いでコラボを公表した。相手先はアパレルブランドやミールキット(食材とレシピがセットなった商品)、菓子などさまざまだ。
知名度の向上や販路、商材の拡大などが狙いで、コロナ禍の中、どこまで成果を上げることができるだろうか。
ラーメンチェーン「天下一品」を運営する天一食品商事(大津市)は、EC(電子商取引)限定のメンズアパレルブランドMONO-MART(モノマート)とコラボして、創業当時の写真や新たに書き起こしたデザインなどをプリントしたTシャツを作成し、通販サイトZOZOTOWNでの販売を始めた。繊維専門商社のモリリン(愛知県一宮市)が発表した。
Tシャツはイラストレーターのイソガイヒトヒサ氏とタッグを組み作成。背中に、どんぶりに描かれているドラゴンモチーフや開店当時の総本店の写真をプリントしたほか、イソガイヒトヒサ氏が書き下ろしたイラストなどを採用した。
天下一品は京都発祥で、2021年に創業50周年を迎える。アパレルブランドとのコラボ商品を展開するのは今回が初めて。同社は「若い世代にも幅広く、天下一品を知ってもらうきっかけになれば」としている。
食品宅配事業を展開するオイシックス・ラ・大地<3182>は、ラーメン店「一風堂」を運営する力の源ホールディングス<3561>とコラボし、一風堂監修のミールキット商品Kit Oisix「一風堂監修!豆乳仕立ての豚骨ラーメン」を売り出した。
一風堂の原点である豚骨スープ「白丸」をアレンジした新たなスープを開発し、豆乳を加えることで、まろやかな味わいに仕上げた。これに一風堂の細麺や、途中で味に変化をもたらす辛味だれのほか、空心菜、ミニトマト、タマネギなどの野菜をセットにし、10分間で本格的なラーメンを作れるようにした。
2021年7月には、パクチーや赤タマネギなどを加え、エスニック風に仕上げた「一風堂監修!爽やかレモンの豚骨ラーメン」と、一風堂で定番となっている「からか麺」をベースにした「一風堂監修!からか鍋」を追加販売する。
一風堂は1985年に福岡市で創業。2021年3月末時点で国内149店舗、海外131店舗を展開している。
ベビースターラーメンを手がける、おやつカンパニー(津市)は、ラーメン店スガキヤを運営するスガキコシステムズ(名古屋市)と、岐阜タンメンを運営する岐阜タンメンBBC(愛知県一宮市)の2社とコラボしたベビースタードデカイラーメン2種の販売を始めた。
スガキヤのラーメンは、1946年の創業以来、豚骨ベースに和風だしを合わせたスープを提供してきた。今回のベビースタードデカイラーメン(スガキヤ スガキヤラーメン味)では、豚骨のコクに、さば節の和風だしの香りと旨みをきかせたタレとパウダーの味付け製法で濃厚な味わいに仕上げた。スガキヤは2021年4月時点で、中京、関西圏を中心に284店舗を展開している。
岐阜タンメンは、豚肉、白菜、キャベツ、ニンニクから旨みを抽出し、塩だしのスープと合わせたシンプルなタンメン。今回のベビースタードデカイラーメン(岐阜タンメン味)は、幅広麺の生地を、ニンニクがきいた豚肉と野菜の旨味が溶け込んだ塩ラーメンスープをイメージした味に仕上げた。岐阜タンメンBBCは愛知県と岐阜県で、岐阜タンメン19店舗を展開している。
文:M&A Online編集部