決戦は金曜日!どうなる?プレミアムフライデー

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昨日2月24日に初回を迎えた「プレミアムフライデー」。月末最後の金曜日、午後3時を目途に仕事を切り上げて、買い物や旅行などで週末を楽しんでもらい、個人消費を喚起しようという取り組みだ。「働き方改革」の一環として、長時間労働の解消にもつながるのではないかと期待される。商業施設やホテル、旅行会社などはプレミアムフライデーに向けた企画や商品を用意して商戦に備えるが、果たしてその導入状況や効果のほどはいかに?

初回の導入企業は少なめ

2月22日までにプレミアムフライデーの取り組みに賛同した企業や団体は全国で3500社以上となった。一方、カルチュア・コンビニエンス・クラブが今月はじめに実施した『働き方に関するアンケート調査』によると、勤務先でプレミアムフライデーが導入されるかという質問に対し、「導入をする」と回答をした人はわずか3.4%。やはり、初回なだけに多くの企業で様子見となったことがうかがえる。実際、サービス業などの業種や人手が足りない中小企業では、この制度を実施するには無理があるだろう。そもそも、単純に労働時間だけを短縮しようということだけでなく、生産性をあげて労働時間を短縮する方法や仕組みづくりを推進することが必要だと思われる。そこをクリアしたうえでなければ、プレミアムフライデー以外の残業が増えるだけで、全体の労働時間に変化はなく、むしろ1日の労働時間が増える事で効率が下がる可能性もありそうだ。

経済効果は1日あたり1236億円!?

第一生命経済研究所の試算では、プレミアムフライデーの1日あたりの経済効果は1236億円とのこと。これはあくまで中小企業を含めた全ての企業でプレミアムフライデーが導入された場合の計算で、大企業のみではその効果は135億円になるという。

ただし、先ほどのカルチュア・コンビニエンス・クラブのアンケートによれば、プレミアムフライデーの過ごし方として最も多かった回答は「家でゆっくり過ごす」(58.5%)。続いて「買い物に行く」(35.8%)、「映画を見に行く」(20.8%)という結果に。余暇の時間ができたからといって、簡単に財布の紐がゆるむことはないようだ。プレミアムフライデー商戦として、さまざまなサービスや商品、キャンペーンが登場しているが、導入企業が増えていかないことには、消費マインドを突き動かすまでには至らない。

<プレミアムフライデーのサービス例>

サントリーホールディングス 全国1,100店の「プレミアム超達人店」で新しい「ザ・プレミアム・モルツ」生ビールが1杯無料
伊勢丹新宿本店 定額で複数の飲食店を食べ歩き・飲み歩きできる「週末めぐらナイト」を企画
日本旅行 金曜日午後出発す国内・海外旅行商品を用意。プレミアムフライデー限定割引クーポンを配布
串カツ田中 開店時間を2時間ほど前倒して午後3時から営業
アマゾン 「プレミアムフライデーストア」をオープン。プライム会員向けに「特選タイムセール」も開催

今後、最も恩恵がありそうなのは旅行業界

とはいえ、ある程度のまとまった時間が必要な「旅行」に関しては、今後の消費が伸びていく可能性は大いに期待できるだろう。みずほ総合研究所は、博報堂行動デザイン研究所やDeNAトラベルなどが行った複数のアンケート調査結果でプレミアムフライデーにしたいことに「旅行」が上位にランクインしていることから、「旅行」への支出増加が見込まれると分析。その旅行消費押し上げ額を、プレミアムフライデーがあまり普及しなかった場合は2195億~2637億円、普及が進んだ場合は4975億~5976億円と試算した。旅行は単価が比較的高いので、機会が増える事で消費を押し上げる大きな効果が見込まれる。さらにそこへ近年のコト消費の波が追い風となって、週末の国内旅行や近郊のアジア地域への旅行はより活性化していくことが予想される。特にゴールデンウィークにつながる4月末のプレミアムフライデーは盛り上がりそうだ。

兎にも角にも、プレミアムフライデーは制度の定着化が最重要課題といえる。数年前の「ゆう活」の二の舞にならないことを願いつつ、今後の動向を見守りたい。

文・M&A Online編集部