ゴルフの「プレーフィ」がじわり上昇 コンペも徐々に回復へ

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ゴルフのプレーフィ(ゴルフ場の使用料金)の上昇傾向が鮮明になってきた。パシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)を傘下に持つ平和<6412>の2023年3月期第2四半期の決算によると「高まるゴルフプレー需要に応じた価格設定により、プレーフィが上昇している」という。

2023年3月期第1四半期でも「ゴルフ人気を背景にプレーフィは上昇している」としていたが、第2四半期では需要に応じて価格を引き上げたことで、より高いプレーフィの上昇につながったよう。

第1四半期では、会食を伴うコンペの回復が鈍いため、顧客単価は「コロナ禍前の水準には当面戻らない見通し」としていたが、第3四半期以降、この状況に見直しが必要になるかも知れない。

9月の顧客単価の伸び率が今年最高に

平和の既存ゴルフ場の顧客単価は、年初から上昇を続けており、2022年9月は今年最も高い8.0%となった。前年同月が振るわなかったことから、高めの数字になったものの、5%を越える月が増えつつある。

今後の見通しについても、ゴルフ人気を背景にプレーフィは上昇を続け、会食を伴うコンペ需要についても、徐々に回復すると見る。

顧客単価の上昇に伴って平和のゴルフ事業は好調に推移しており、2023年3月期第2四半期の売上高は474億7800万円(前年同期比9.2%増)、営業利益は97億2000万円(同30.8%増)と増収増益を達成した。

通期の業績見通しは変更していないが、同社では来場者数が増加傾向にあることから「平日の稼働率を上げることで、今後も伸びる余地がある」としており、上振れする可能性は小さくない。

好業績の要因には、ゴルフ場の買収もある。2021年10月に取得したオールドオーチャードゴルフクラブ(茨城県茨城町)は2023年第2四半期の業績を押し上げた。2022年12月には足柄森林カントリー俱楽部(静岡県小山町)の事業を取得する予定で、通期の業績にはプラス要因となる。

【PGMの2022年の顧客単価の推移】

1月 2月 3月 4月 5月 6月 7月 8月 9月
前年同月比(%) 2.7 1.1 5.7 5.4 5.3 6.8 3.9 5.8 8.0

物価高の中、プレーフィはアゲインストに

2022年秋は電気代や燃料費、人件費、原材料などの価格が上昇したことから、飲料、食品、外食などで値上げが相次いだ。帝国データバンク(東京都新宿区)によると「断続的な値上げが来年も続く可能性がある」という。

ゴルフのプレーフィは、ゴルフ人気が背景にあるため、食品などの値上げとは性質が異なるものの、支払い金額が増えるのは、どちらも同じ。ゴルフ愛好家としては、プレーフィの上昇はアゲインスト(逆風)を望みたいところだろう。

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文:M&A Online編集部