2019年10月1日に消費税率が8%から10%に引き上げられるのに伴って、PayPay(東京都千代田区)が利用者拡大に向けて攻勢をかけている。
PayPayは経済産業省の「キャッシュレス・消費者還元事業」で還元される5%分のポイントに加え、PayPay独自に最大5%分を上乗せし、合計で支払い金額の最大10%分を還元する「まちかどペイペイ」キャンペーンを実施する。
さらに10月中に「PayPay残高へのチャージ」「オンラインでのPayPay決済」「実店舗でのPayPay決済」「PayPay残高を送る機能の利用」の4つの行動をすべて行えば、全員に500円分のポイント(PayPayボーナス)を付与する。
10月1日に向けてキャッシュレス決済手段を準備する消費者は増えているものの、スマートフォン決済サービスについては不正利用などのセキュリティ-面が壁となり、利用に踏み切れない消費者は少なくない。さらにキャッシュレス決済による使いすぎを心配する消費者も存在する。
PayPayは還元キャンペーンで消費者の心をつかみ、利用者をどこまで増やすことができるだろうか。消費税率アップまであと3週間。還元キャンペーンと並んで、安全性の確保や使いすぎの防止などのアピールが利用者拡大のポイントとなるかもしれない。
10%還元の対象となるのは還元事業による還元率が5%の中小・小規模事業者が経営する店舗のみで、還元率が2%の中小・小規模事業者が経営するコンビニエンスストアやガソリンスタンドなどのフランチャイズチェーン店は対象外となる。
PayPayが還元する5%の内訳は、まちかどペイペイキャンペーン分が3.5%で、残りの1.5%は、これまでのPayPay利用特典として還元してきた3%を1.5%に引き下げて実施する。
このため対象外の中小・小規模事業者が経営するフランチャイズチェーン店についても、還元事業による2%と、PayPay利用特典の1.5%の合計3.5%が還元される。
実施期間は2019年10月1日から2019年11月30日までで、12月1日以降については、まちかどペイペイキャンペーンの第2弾を実施する予定。
PayPayは10月1日に最大 3%のPayPay ボーナスを付与している PayPay利用特典を1.5%に引き下げるほか、20回に1 回の確率で最大1000円分のPayPayボーナスを付与していたのを、25回に1回の確率で最大100円分に、100回に1回の確率で最大1000円分に変更する。
キャッシュレス・消費者還元事業は、中小・小規模事業者が営む飲食店や小売店などで、消費者がキャッシュレスで支払いを行った場合に、ポイント還元を国が支援する事業で、事業費として2019年度予算に2798億円を計上している。
食料品については事業者規模の大小は関係なく、軽減税率が適用され消費税は8%に据え置かれる。
文:M&A Online編集部