エドウィン・セコム・ヤクルト…「カタカナ」社名の由来は?

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エドウィンの店舗(都内)

企業の社名では「カタカナ」が幅を利かせるようになって久しい。社名そのものが有力ブランドになっているケースは少なくないが、その意味や由来については意外と知られていない。業歴50年以上のカタカナ企業にスポットをあてる。

エドウィン、元をただせば「DENIM」

国産ジーンズメーカーの草分け企業として知られるエドウィン。戦後、前身企業(常見米八商店)が米国から中古ジーンズを輸入販売したのを始まりとし、1961年に日本で初めてジーンズの製造に乗り出した。日本人の体型にフィットしたジーンズの提供を目指した。その時、冠したブランド名が社名にも使われる「EDWIN」だ。

ベースとなった単語は生地を意味するデニム(DENIM)。言葉遊びの一種で、この5文字の並びを替えて誕生したのがEDWIN。東京の旧称・江戸(エド)と勝利(ウィン)の意味も込められているという。

ただ、エドウィンは2000年代に経営の混乱から危機に陥り、2014年に伊藤忠商事の傘下に入った。

コロナ危機が続く中、いよいよ開幕を迎える東京五輪。1964年の前回の東京五輪で大ブレークした企業といえば、セコムだ。当時の社名は日本警備保障で、創業して2年のベンチャー企業。東京五輪の選手村などの警備を担当したのが飛躍のきっかけとなり、翌1965年には同社をモデルにしたテレビドラマ「ザ・ガードマン」(宇津井健主演)が大ヒットした。

その後、通信回線による24時間遠隔監視を実現。ホームセキュリティーにもいち早く進出し、警備最大手の座を不動にした。セコム(SECOM)はセキュリティーとコミュニケーションを組み合わせた造語だ。

台所のクリーンナップトリオとは?

ベースボールファンは二刀流の大活躍で米大リーグを席巻中の大谷翔平選手(エンゼルス)にくぎ付けだが、野球と少なからず関係する社名の持ち主は住宅設備大手のクリナップ。

台所で必須アイテムは流し台、調理台、ガス台の3点セット。野球でいえば、強打者が並ぶ3番・4番・5番のクリーンナップトリオにほかならない。「クリナップ」ブランドが誕生したのはプロ野球が最大の娯楽とされていた1961年(井上工業からクリナップへの社名変更は1983年)のこと。

乳酸菌飲料の代名詞的存在「ヤクルト」

そのプロ野球経営にヤクルト本社が進出したのは1968年。乳酸菌飲料の代名詞的存在の「ヤクルト」はエスペラント語でヨーグルトを表すヤフルト(Jahurto)に由来する。ヤクルトの製造が始まったのは1935年で、90年近い歴史を持つ。

清掃用具レンタル大手のダスキンは設立2年目の1964年に当初のサニクリーンから現社名に変更した。英語でほこりを意味するダスト(dust)とぞうきんを掛け合わせ、「ダスキン」とした。米国発のドーナツ店「ミスタードーナツ」の国内展開をスタートしたのは「ダスキン」に改名して7年後の1971年で、今年で50年の節目を迎える。

文:M&A Online編集部