「若い人」を対象に新型コロナワクチンの「副反応」調査を実施、症状の緩和実験も

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写真はイメージです

岡山大学は8月13日に、岡山大学の教職員と学生を対象にモデルナ製新型コロナワクチンの副反応調査を実施し、3794人が1回目接種後の調査に協力したと発表した。

同調査は男女半々で、若い人が多く含まれているため、接種率の低い若い世代の判断材料になりそう。

また副反応の症状緩和を目的にした実験も8月16日に始まった。ロープやテープなどを取り扱う松浦工業(大阪市)は、医療機関や薬局と協力して、同社の冷却剤「アイスバッテリー」を用いた手のひらや腕の冷却実験で、頭痛や倦怠感などの緩和効果を確認する。

冷却による症状緩和に関する医学的根拠はないが、体験者から評価する声が多いことから有効性を調べることにした。

若い人の副反応の実態や、症状緩和対策などの知識が広まれば、ワクチン接種率の向上に役立ちそうだ。

ファイザー上回るモデルナの副反応

岡山大学の調査によると、ワクチン接種部位の局所反応として、痛みが91.5%、腫脹が39.6%に出現。接種7 日目ごろに接種部位に出現する遅延型皮膚反応、いわゆるモデルナアームも、2~3%に現れた。

また全身反応として、筋肉痛が59.4%、倦怠感が48.5%、頭痛が29.7%、発熱が23.0%出現した。副反応に対しては、20.1%が解熱鎮痛剤を使用しており、若い世代で発熱の出現頻度が高い傾向にあった。

またモデルナ製ワクチンの副反応出現率は、岡山県内の五つ病院で実施したファイザー製ワクチンの1回目接種後副反応調査結果よりも高く、20歳以下の対象者に絞った場合でも同様の傾向が見られたという。

岡山大学では今後、2回目接種終了後に再度調査を行い、1回目と2回目の副反応の差を比較することにしている。

頭痛、倦怠感緩和の声も

松浦工業が実施する実験は、接種会場に貸出用冷却剤「アイスバッテリー」を用意し、希望者が待機時間に使えるようにするとともに、会場近くの薬局で同冷却剤を購入できるようにする。

同時に、接種会場でアンケートを配布し、体験者が回答した内容を病院で集計したうで、厚生労働省などに提供するという流れで、複数の医療機関や大学が取り組み、8月末には結果を公表する予定という。

アイスバッテリーは温度を10~15度Cに維持できる冷却材で、気温30度Cの会場で15度C冷却を1~2時間実現できる。同社では、手のひらや、頬、足の裏などに多く存在する体温調節を司る特殊な血管(AVA=動静脈吻合)を冷やすことで、身体にたまった熱を外に逃がすのと同時に、身体全体をクールダウンするヒーリング効果で症状を和らげられるとしている。

医学的根拠はないが、体験者から「接種直後から腕を冷やせた事で、1回目接種時と比べて腕の腫れが小さくすんだ」「頭痛、倦怠感が和らいだ」などの声が寄せられているという。

松浦工業は8月17日に、ワクチン接種後の待機中に希望者に冷却剤を貸し出せる冷却セットの販売を始める。

文:M&A Online編集部