13年3月期からは黒字転換し、15年3月期は医薬品製造部門で18億8000万円の営業利益を計上するまでにった。本業である調剤薬局事業の伸びにかき消されてしまいがちだが、医薬品製造部門も着実に成長している。

 10年3月期に売上構成で5%しかなかった医薬品製造部門が15年3月期には14%にまで成長している(部門間売上相殺前の割合)。まさに執念である(下図参照)。 

■部門売上構成の変化

 巨大なリスクを取っているのも「医薬分業」という企業理念を実現するためだが、大胆な投資ができるのは、創業 家の持ち株比率が50%を超えており、支配権が安定しているという背景がある。

 オーナー経営でなければ医薬品製造業への巨額投資、さらに7年連続の巨額赤字に耐えることは難しい。もちろん、創業家の持ち株比率の高さには副作用もある。

 日本調剤は自己資本比率が10%台と低く、過去のエクイティファイナンスは株式公開時に52億円を調達したほかは、06年6月に公募増資で25億円を調達した程度だ。この先に起こりうる調剤薬局の再編劇に備えるため、また、ジェネリックメーカーとしての地位を確固たるものにするために、これから先も資金需要は強いはずである。

 財務基盤の強化が日本調剤の課題だ。課題をクリアして積極果敢なM&Aに取り組み、同社の目指す「真の医薬分業」を実現することに期待したい。

この記事は、企業の有価証券報告書などの開示資料、また新聞報道を基に、専門家の見解によってまとめたものです。

まとめ:M&A Online編集部