値上げの嵐の中、あえて「値下げ」に踏み切る企業とは

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ディーズプランニングのニュースリリースより

10月に数多くの食品や飲料をはじめ、太陽電池やカセットボンベといった商品までも幅広く値上がりする中、あえて値下げに踏み切る企業がある。

家具やインテリア用品を販売するニトリホールディングス<9843>や、沖縄ステーキ食堂「やっぱりステーキ」を展開するディーズプランニング(那覇市)、ディスカウントストアのミスターマックス・ホールディングス<8203>などがそれだ。

多くの商品の価格が上がる時期だからこそ、利用者の生活を応援したいとの思いが込められており、ニュースリリースには「期間限定価格」「まさかの値下げ」「値下げ断行」といった言葉が並ぶ。どんな商品の値段が下がるのだろか。

インテリア用品140品を値下げ

ニトリは2022年10月1日から11月6日まで、インテリア用品140品を「期間限定価格」で販売する。

収納やキッチン用品など暮らしに役立つ商品に絞っており、1990円のIH軽量土鍋風卓上鍋を1790円に、699円の超軽量深皿を649円に、699円の収納ケースNインボックスを679円に引き下げると言った具合。

季節の変わり目を快適に過ごす便利商品や、秋を楽しめる商品などを厳選したとしており、布団乾燥機(7990円→7790円)や、クローゼット用ユニットケース(2790円→2590円)、衣類が乾きやすいハンガー(407円→379円)なども揃えた。

ディーズプランニングは10月1日に、看板メニューである1400円のやっぱりステーキ(ミスジステーキ、150グラム)を200円引き下げ、1200円で販売する。

物価の上昇に伴い、外食を控える人たちに、美味しいステーキを提供するため、14.3%の値下げに踏み切ることにした。

ステーキ店「やっぱりステーキ」は2015年にオープン。2020年には東京1号店となる「やっぱりステーキ吉祥寺店」を開店し、現在は、全国に92店舗を展開している。

ミスターマックスは9月8日から11月まで、食品や日用品のほか、家電や衣料品、ペット用品など幅広い分野のナショナルブランド商品2000品目を値下げする。

同社は2022年3月から8月まで、プライベートブランド商品1000品目の価格を凍結しており、対象商品の売上高は前年同月比2割増加したという。

10月はマ・マー 早ゆでパスタを376円から322円に、クリニカハミガキを163円から119円に、ソックスを998円から767円に引き下げるといった具合で、下げ幅は7%弱から30%強まである。

太陽電池やカセットガスなども値上げ

日本マクドナルドは9月30日から、ハンバーガーやフライドポテトなど6割の商品を値上げする。上げ幅は10円から30円となる。

スシローやくら寿司の回転ずしは10月1日から一皿5円から38円、牛丼の吉野家も10月1日に牛丼などを一杯20円値上げする。

値上げは、こうした食品だけでない。パナソニックホールディングス<6752>は、配線器具(電話モジュラジャックなど)、パワーツール(切断工具など)、エネルギーシステム(太陽電池モジュールなど)などの幅広い商品を値上げする。8月から家電製品などの値上げを進めてきた一環で、10月の値上げ幅は4%ほどから120%ほどまでさまざま。

岩谷産業<8088>は10月3日にセットこんろと、カセットガスの価格を引き上げる。2022年4月にカセットこんろを、同6月にカセットガスを値上げしており、10月は今年2回目の値上げとなる。値上げ幅はカセットこんろが約5~20%、カセットガスが約15%。

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文:M&A Online編集部