池波正太郎生誕100周年記念!『仕掛人・藤枝梅安』二部作が公開へ

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©「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社

気概を感じさせる本格時代劇『仕掛人・藤枝梅安』二部作が公開へ

一言で言えば「気概を感じさせる」。そんな言葉ぴったりな時代劇映画が2023年2月(『仕掛人・藤枝梅安』)と4月(『仕掛人・藤枝梅安2』)に公開されます。時代小説の大家、池波正太郎の生誕100周年と時代劇専門チャンネル25周年に合わせた、代表作の再映画化企画です。

もはや希少ジャンルとなった時代劇

時代劇というと中国や韓国では盛んに作られている人気のジャンルですが、日本ではすっかり希少なジャンルとなりました。かつては民放各局でも「水戸黄門」や「大岡越前」、「暴れん坊将軍」などがレギュラー放送されていましたが、今はNHKを中心に年1~2本、2時間スペシャルドラマが作られれば良い方という状況です。日本のエンタメ業界において、時代劇はもう消えゆくジャンルなのかもしれません。

かつて映画が娯楽の王様だったころは、時代劇が大量に制作されていました。長谷川一夫(林長二郎)や阪東妻三郎など剣劇スターと呼ばれる俳優も多くいて、大衆娯楽の代名詞でした。そういう意味ではハリウッドにおける西部劇も、時代劇と同じような立ち位置にあると言えるでしょう。

時代劇のなかには黒澤明監督の『用心棒』や『七人の侍』など、国際的にも評価を集めたものが少なくありません。しかし、令和の世になって需要も大きく変わりました。

時代劇は撮り方や語り方はもちろんのこと、衣装や小道具からセットに至るまで、独特の知識や工夫が必要とされます。しかし、そのノウハウを知る人は年々少なくなっています。

今回の『仕掛人・藤枝梅安』2部作は、今となっては希少な時代劇のテクニックを堪能することができる本格時代劇映画です。

知識の継承で危惧すべきことは、「使われなくなること」です。どれだけ優れたものでも、伝承されなければ(=使い続けられなければ)途絶えてしまいます。その流れになんとか手を打たなくてはという、ある種の使命感すらこの映画から感じます。

時代劇の違った顔が見られる

時代劇の存続という使命感に応える形で、主演の豊川悦司を中心に、相棒の彦次郎を演じる片岡愛之助、天海祐希、菅野美穂、石橋蓮司、小林薫、椎名桔平、佐藤浩市といった面々が揃いました。

『仕掛人・藤枝梅安』と『仕掛人・藤枝梅安2』は続き物ですが、趣がガラッと変わって時代劇のいろいろな顔を見ることができます。天海祐希をメインゲストに据えた1作目は人情噺となっており、様々な縁が展開されます。

対する2作目は、「THE・仕掛け人」の世界観を描いたクライムサスペンスとなっていて、こちらも様々な因縁の物語になっています。藤枝梅安2のメインは椎名桔平、佐藤浩市が演じ、渋い男の魅力が満載です。一応、物語は続いていますが、それぞれ独立しても十分楽しめる作品となっています。

撮影自体はおそらくまとめての撮影だと思うのですが、演出にしても演技についても、ガラッと雰囲気が変わり、キャスト・スタッフの地力を感じることができます。

来年は『鬼平犯科帳』が公開予定

ちなみに「池波正太郎生誕100周年×時代劇専門チャンネル25周年プロジェクト」として、来年には『鬼平犯科帳』(2024年公開予定)の公開が控えています。こちらもシリーズ化を念頭に置いているとのことです。

映像化の五代目・鬼平を演じるのは、十代目松本幸四郎。十代目幸四郎と言えば、長年鬼平をテレビ・映画で演じ続けた故二代目中村吉右衛門の甥にあたる人物です。さかのぼれば初代松本白鸚(吉右衛門の父、幸四郎の祖父)が最初に鬼平を演じたという、一族にも所縁のあるキャラクターです。

文:村松健太郎(映画文筆屋)/編集:M&A Online編集部

<作品データ>
原作:池波正太郎『仕掛人・藤枝梅安』(講談社文庫刊)
出演:豊川悦司 片岡愛之助 菅野美穂 小野了 高畑淳子 小林薫
第一作ゲスト:早乙女太一 柳葉敏郎 天海祐希
第二作ゲスト:一ノ瀬颯 椎名桔平 佐藤浩市
監督:河毛俊作
音楽:川井憲次
配給:イオンエンターテイメント
宣伝:日本映画放送/クオラス/イオンエンターテイメント/時代劇パートナーズ
2023年製作/134分/G/日本
第一作2023年2月3日(金)/第二作4月7日(金)より新宿ピカデリーほか全国劇場にて公開
「仕掛人・藤枝梅安」 公式サイト

「仕掛人・藤枝梅安」ポスタービジュアル
©「仕掛人・藤枝梅安」時代劇パートナーズ42社