男なら観るべし!クライムアクション映画『キャッシュトラック』

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ガイ・リッチー×ステイサム最新作『キャッシュトラック』

ジェントルメン』で犯罪映画に原点回帰したガイ・リッチー監督が再び手掛けたクライム・アクション映画『キャッシュトラック』。2021年10月8日より全国公開となります。

主演はガイ・リッチー監督のデビュー作『ロック、ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』から『スナッチ』『リボルバー』といった初期作品からメインキャストで出演していた親友・ジェイソン・ステイサム。アクションスターとして、ワイルド・スピードシリーズなどでトップスターとなったステイサムが16年ぶりにガイ・リッチー監督とコンビ復活です。

ちなみに来年公開予定のガイ・リッチー監督次回作『オペレーション・フォーチュン(原題:Operation Fortune:Ruse de guerre)』でも、ガイ・リッチー×ステイサムのコンビが実現しています。

あらすじ

アメリカ・ロサンゼルス(LA)の現金輸送車(キャッシュトラック)専門の警備会社フォルティコ・セキュリティ社に新人のパトリック・ヒル(ジェイソン・ステイサム)、通称“H”が入社した。

入社試験がギリギリだったこともあって、あまり目立つ存在ではなかったHだったが、彼が担当したトラックが強盗に襲われると、Hは驚くほどの戦闘スキルを発揮し、見事に撃退する。

この事件で一躍、注目の的となったH。しかし彼の真の目的は、さらにその奥にあるものだった…。

一方で、腕利きの強盗チームが全米で最も現金が動く日“ブラック・フライデー”に1億8000万ドルの大金を強奪する計画を進めていた…。

仏映画の原作をタフなアクション映画に

映画『キャッシュトラック』は2004年のフランス映画『ブルー・レイクエム』を原作にしていますが、ガイ・リッチー監督が脚本にも参加していることもあって、ファンも納得の“ガイ・リッチー印”の犯罪映画に仕上がっています。

時間軸を巧みに操るガイ・リッチーの脚本と親友ステイサムのアクションスターとしてのカリスマ性が見事に絡みあったクライムサスペンスの秀作と言えるでしょう。

映画俳優ジェイソン・ステイサムの生みの親ガイ・リッチー

ジェイソン・ステイサムは水泳・飛込競技のイギリス代表チームに所属した後に、ファッションモデルに転向しました。彼がモデル契約をしていたイギリスのアパレルブランド「フレンチコネクション」がスポンサーだったことが縁で、ガイ・リッチー監督のデビュー作『ロック、ストック、トゥー・スモーキング・バレルズ』に出演する機会を得ます。1998年のことです。

デビュー作で早くもガイ・リッチーがクリエイターとして注目されるようになると、アメリカ資本が入った2作目の『スナッチ』には、ブラッド・ピット、ベネチオ・デル・トロといったトップスターが監督の才能に惹かれて出演します。

その結果、引き続きメインキャストとして出演していたステイサムにも大きな注目が集まるようになりました。映画監督ガイ・リッチー誕生の瞬間は、映画俳優ジェイソン・ステイサム誕生の瞬間でもあったとも言えるでしょう。

その後、ステイサムは『トランスポーター』や『エクスペンタブルズ』シリーズなどの大ヒットアクション映画の常連となり、「ワイルド・スピード」にも招聘されるようになります。彼はスタントマンを使わない姿勢でも知られていて、50歳を超えた今でもキレのあるアクションを披露してくれています。

今後も「エクスペンタブルズ」と「ワイルド・スピード」の新作に出演することが決定しており、しばらくはアクションスターとしてのステイサムを堪能することが出来そうです。

アクション以外でも魅せるステイサム

映画『キャッシュトラック』は犯罪アクション映画である一方で、意外にもドラマパートでも魅せる作品になっています。一癖も二癖もあるキャリアのある共演陣との絡みの部分など、言葉少なに表情だけでHの真意を表現しきった“演技派”ステイサムにも要注目です。

ガイ・リッチー監督お得意のクライムサスペンスということもあって、練りに練った演出&脚本とステイサムのカリスマ性の相性も抜群です。円熟味たっぷりのクライムサスペンスとして、素直に楽しめる作品に仕上がっています。

文:村松健太郎(映画文筆家)

キャッシュトラック
原題:Wrath of Man
監督: ガイ・リッチー
出演:ジェイソン・ステイサム、スコット・イーストウッド、ホルト・マッキャラニー、ジェフリー・ドノヴァン、ジョシュ ハートネット
配給:クロックワークス
2021年製作/118分/G/アメリカ・イギリス合作
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10月8日(金)より新宿バルト9ほか全国公開