次作のターゲットは……?

-ところで、ハゲタカシリーズの次の作品は。ファンが一番知りたい点です。

ハゲタカの鉄板の定義は「買えない会社はない」。これまで不可能と思われてきた会社を買収してきた鷲津の軌跡からすると必然といえる。

次のターゲットは決まっているが、まだ秘密(笑い)。アッと言ってもらえる企業だ。

-現代で描くとしたら、どうですか。

巨大企業ではなく、もっと小さなところを書いてみたい。その一つが宇宙ベンチャー。宇宙ビジネスを前に進めるためにはカネが必要となる。しかし、カネの出し手がいないのが日本の実情だ。米国ではスペースXのようなベンチャーが出現している。日本に宇宙ビジネスを支援するベンチャーキャピタル(VC)をつくってみたらどうかという提案をしてみたい。もちろん、誰もが思いつくような、ありふれた形ではない。今、熟慮中だ。

鷲津と一緒に死にたい

-最後に、ハゲタカ・鷲津の活躍はどこまで続きますか。

日本を救うとか、正義の味方にはしたくない。ダークヒーローであることで人間の欲望に渦巻く根本的な部分が見えてくる。時にはジョーカーでもいい。ハゲタカは日本を描くうえで良いツールだと思う。日本をしかり、エールを送る。ずっと書き続けたい。鷲津と一緒に死にたいと思っている。

真山 仁さん(まやま・じん)

1962年大阪府生まれ。1987年に同志社大学法学部政治学科を卒業し、中部読売新聞記者。フリーライターを経て2004年,バブル崩壊後の企業買収を舞台とした『ハゲタカ』でデビュー。『ハゲタカ』『ハゲタカⅡ(『バイアウト』改題)』は2007年にNHK土曜ドラマになり、主人公の企業買収家・鷲津政彦が一躍ニューヒーローに。2018年夏にはテレビ朝日系で連続ドラマ化された。ハゲタカシリーズの3作目『レッドゾーン』は2009年に映画化。

ハゲタカシリーズ以外の著作として、『マグマ』『売国』『標的』『そして、星の輝く夜がくる』『雨に泣いてる』など。

聞き手・文:M&A Online編集部 黒岡博明

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