安川電機広報・IR部 〇〇会社の〇〇部って どんな仕事なの?(1)

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テレビで見る記者会見などで、司会役を務めているのは広報部門の担当者であることが多い。記者の質問に答えていることもある。広報って一体どんな仕事なのか。安川電機<6506>の広報・IR部を訪ねてみた。

社内向けに毎日、情報を配信

安川電機広報・IR部の林田歩部長は、朝5時55分に起き、スマートフォンで自社の記事と競合相手企業の記事をチェックするのが日課。毎朝5時55分に起きるのは、ずいぶん前に郷ひろみさんが朝5時55分に起きるという話しを聞いたためで、それ以来“555”を守り続けている。

単身赴任の住まいを朝7時に出発し、1時間後の8時には会社到着する。速報はネットで確認するが、「アナログなので会社では新聞をめくる」という。4紙をチェックし自社の事業に関係ありそうな記事をピックアップして当該の事業所に送っている。

同社の広報・IR部は10人の組織で、広報活動は部長のほか6人の担当者で取り組んでいる。広報はテレビで見ての通り、やはり記者発表が重要な仕事の一つとなる。同社の場合、通常記者発表は夕方4時に行う。発表の前日はQ&Aや説明シナリオの作成などで忙しい。新聞記者とのコミュニーケーションも7人が手分けして毎日のように行う。

「アナログなので会社では新聞をめくる」という林田部長

このほかに同社の広報・IR部では社内報を手がけており、社長メッセージの素案作りなども重要な仕事だ。さらに社内向けにはイントラネットを使ってほぼ毎日、安川電機がどこでどのようなイベントを行ったかといったニュースを配信する。

「従業員は今、会社で何が起こっているかということを知る義務がある。権利ももちろんあるが知っておく必要がある」というのが林田んさんの信念。そのためには広報が新聞社のように毎日、情報を配信し続けなければならない。

広報は経営そのものといわれるほど重要な部署。外部と内部の間にあるポジションで、外部からの情報を内部に伝え、内部の情報を外部に発信しなければならない。このため仕事は多岐に渡る。

ゴールは全ステークホルダーから選んでもらうこと

「広報活動の目標は安川電機の認知度を上げることと求心力を上げること」と林田さんには全く迷いはない。そしてそのゴールは「株主、地域、学生、従業員の全ステークホルダーから安川を選んでもらうこと」と明確だ。林田さんは2007年から広報を担当して10年が経つ。最初は総務部の中の小さな組織から始り、今は部にまで大きくなった。安川電機広報・IR部は今後どこに向かうだろうか。

世界有数のロボットメーカーに

安川電機本社

安川電機は1915年にモーターメーカーとして創業。今年で創業103年になる老舗企業。モーターを用いた産業用ロボット「MOTOMAN」を1977年に開発、現在は世界有数のロボットメーカーとしての地位を築いた。モーションコントロール、ロボット、システムエンジニアリングが主な事業領域で、2017年3月期の売上高は3949億円。創業100周年に当たる2015年に北九州市の本社敷地内にロボット工場や歴史館、みらい館、緑地帯などからなるロボット村を建設。年間3万人が見学に訪れる。


安川電機の事業内容

事業名 製品
モーションコントロール ACサーボモーター、コントローラ、インバータなど
ロボット 産業用ロボット、半導体製造装置用ボット、バイオメディカル用途 向けロボット、人共存型ロボットなど
システムエンジニアリング 鉄鋼プラント用電気システム、上下水道用電気システム、大型風力 発電、船舶用電機品、太陽光発電用機器など
その他 情報関連事業、物流サービスなど

取材・文:M&A Online編集部