買収価格=純資産+営業利益3年分は理論的に間違いか?

※この記事は公開から1年以上経っています。
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しかし、DCF評価結果を見せ合って、お互いのミスや計算ロジックをつつきあい、そしてこのロジック論破合戦に勝った人が、正解(正しい株価)にたどり着くのが買収価格の交渉だと思っているビジネスマンが、特にこれからM&Aを本格的に学びたいと思っている、いわゆる「がっついてるビジネスマン」には結構多い印象があります。  

弊社は、そういう場合、DCFの勉強ももちろんとても大事ですが、それと同じくらい、3表連動財務諸表をきちんと組み上げて、キャッシュフローの創出力を見極め、今後3~5年以内に獲得し得るFCFやEBITDAがどのくらいありそうか、確証を持つことがまず重要ですよ、とアドバイスさせて頂いています。

では、DCF法はあまり意味がないのか。(例えば買収ファンドやVCの人などは、投資採算が最も重要なので、こういう考え方の方もたまにいるように感じます。) 当然そうではないといえます。

前述の通り、DCF法は買収価格の客観的妥当性を外部の第三者意見を通じて利害関係者に説明するためのツール、説明責任を果たすためのツールとして非常に重要です。従って、特に公開会社やそれに準ずる大企業では、DCF評価では、社内のお手盛り評価ではなく、外部の第三者(会計事務所)による評価をすることが非常に重要となります。

結論:買収価格に「論理的に正しい唯一絶対の正解」は存在しない。主観と客観と論理と感情がないまぜになった中で交渉を重ねる結果、最後にたどり着く不可思議な数字」  

※たどり着かない場合は? ⇒ディールブレーク。(><)

IGNiTE PARTNERS ホームページより転載

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西澤 龍 (にしざわ・りゅう)

IGNiTE CAPITAL PARTNERS株式会社 (イグナイトキャピタルパートナーズ株式会社)代表取締役/パートナー

投資ファンド運営会社において、不動産投資ファンド運営業務等を経て、GMDコーポレートファイナンス(現KPMG FAS)に参画。 M&Aアドバイザリー業務に従事。その後、JAFCO事業投資本部にて、マネジメントバイアウト(MBO)投資業務に従事。投資案件発掘活動、買収・売却や、投資先の株式公開支援に携わる。そののち、IBMビジネスコンサルティングサービス(IBCS 現在IBMに統合)に参画し、事業ポートフォリオ戦略立案、ベンチャー設立支援等、コーポレートファイナンス領域を中心にプロジェクトに参画。2013年にIGNiTE設立。ファイナンシャルアドバイザリー業務に加え、自己資金によるベンチャー投資を推進。

横浜国立大学経済学部国際経済学科卒業(マクロ経済政策、国際経済論)
公益社団法人 日本証券アナリスト協会検定会員 CMA®、日本ファイナンス学会会員

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ignite.info@ignitepartners.jp


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