M&Aの専門家はとかく数字と格闘する場面が多い。デューデリジェンス(買収対象企業の価値やリスクなどの調査)をはじめ、いろんな場面で電卓が活躍する。どのような電卓を使っているのか。愛用の品の入手のいきさつや、思い出などを村木良平税理士事務所(大阪府高槻市)の村木良平税理士に聞いてみた。
税理士試験を受けるために使っていた電卓をなくしたので、15、6年前に新しく買い替えたのが今の電卓(CASIOのスクール電卓 AZ-23S)です。機能は同じようなもので、そんなに高いモノではありません。使うのはもっぱら「+」「×」「M+」「M-」くらいで、今の仕事を辞めるまで使い続けると思います。
実は今やっている仕事は、電卓をあまり使いません。会計事務所やM&A仲介会社など向けに業務を行う形を主としているためで、電卓を使うのは「こういう計算であっていますか」といった問い合わせに答える時です。その時は電卓がなければ仕事になりません。
現在、手がけているのはM&Aやグループ内再編に関わる税務や会計、手続きなどの実務の助言などで、組織再編の全部または一部を請け負うこともあります。こうした業務は税務、会計、会社法などの新しい情報を入手しておかなければならず、許認可関係も把握しておく必要があります。毎月5冊ほど関連の新しい本を読みますが、これだけでは十分ではありません。ネットも誤った情報が多いので注意が必要です。
私は専門家や実業家の幅広いネットワークがありますので、本やネットで足りない情報は、直接各分野の専門家らと意見交換しながら入手しています。
私の活動で少しでも税理士業界を含めたM&A業界のM&Aや組織再編のレベルが上がり、より身近な業界にできればと考えています。
文:M&A Online編集部