2022年「都道府県別」M&Aランキング、あなたの地元は?

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写真はイメージです。

M&Aの分野でも「東京」は別格の存在だ。東京都は2位の大阪府を5倍近く引き離し、独走している。3位愛知県、4位神奈川県、5位福岡県も不動だった。2022年のトップ10では下位の顔ぶれが入れ替わった。前年圏外の埼玉県が7位に返り咲き、静岡県が2年連続でランクイン(10位)する一方、千葉県が圏外となった。

福岡県5位キープ、北海道は7位に上げる

47都道府県の直近3年のM&A勢力図は一覧表の通り。各年のM&A全件について、都道府県別に買い手、売り手、対象(自社や子会社・事業がターゲット)のいずれかの立場でM&Aにかかわった件数を単純集計したもので、全国的なM&Aの分布状況を大づかみすることを目的としている。

例えば、神奈川県のA社(買い手)が愛知県に本社を置くB社(売り手)の福岡県にある子会社を買収したケースでは神奈川県、愛知県、福岡県をそれぞれ1件とし、逆に同じ県内ですべてが完結する場合は当該県の1件のみとカウントした。

単年では件数にバラつきが生じるが、3年間の合計でみると、都道府県ごとの“定位置”がはっきりと見えてくる。東京都の前では存在がかすみがちな大阪府だが、3位の愛知県には倍の大差をつける。「モノづくり立県」を標ぼうする愛知県では製造業関連がM&Aの牽引役を担う。

福岡県は首都圏、近畿圏の県を押しのけて5位をキープする。3年間トータルでも101件と3ケタの大台に乗せた。福岡県と並ぶ地方の雄、北海道は2022年に件数を大きく伸ばして3年間計で71件となり、7位(前年10位)に順位を上げた。ちなみに道内企業が買い手となったのは71件中、29件だった。

長崎県は前年ゼロから5件に

前年に続き件数を伸ばしたのが岩手県。2020年2件→21年10件→22年15件と推移し、計27件で宮城県に並ぶ。本社を東京都から岩手県に移したエルテスが1社で5件(うち1件中止)の買収を手がけたことが件数を押し上げ、県外企業による買収も相次いだ。

3年間のM&A件数が5件以下の最下位グループは青森、秋田、山形、鳥取、佐賀、宮崎の6県。前年までは11県を数えたが、奈良、島根、高知、長崎、鹿児島の5県が抜け出た。このうち長崎県は2022年だけで5件(前年はゼロ)に上ったが、旅行大手のエイチ・アイ・エス(HIS)が大型テーマパーク「ハウステンボス」(佐世保市)を香港投資ファンドに666億円で売却する案件が含まれる。

また、2022年に買い手、売り手、対象のいずれにも該当せず、件数ゼロだったのは秋田県が唯一だった。

◎都道府県別M&Aの推移
買い手、対象企業・事業、売り手の所在地を都道府県別に単純集計。太字は上位10都道府県(3年間計)

2020年 2021年 2022年 3年間計
北海道 25 18 33 76
青森県 1 1 1 3
岩手県 2 10 15 27
秋田県 0 1 0 1
宮城県 9 8 6 27
山形県 1 2 2 5
福島県 9 4 5 18
群馬県 11 7 10 28
栃木県 7 7 8 22
茨城県 11 17 13 41
埼玉県 27 14 31 72
千葉県 17 27 18 62
東京都 677 681 704 2062
神奈川県 53 52 63 168
山梨県 4 4 4 12
長野県 15 12 21 48
新潟県 11 12 8 31
富山県 6 6 9 21
石川県 10 13 14 37
福井県 1 8 5 14
岐阜県 10 13 14 37
静岡県 14 20 22 56
愛知県 59 70 70 199
三重県 6 3 6 15
滋賀県 2 5 4 11
京都府 24 18 26 68
大阪府 114 125 147 386
兵庫県 33 30 27 90
奈良県 3 1 2 6
和歌山県 2 0 4 6
鳥取県 2 0 2 4
島根県 3 1 2 6
岡山県 8 7 6 21
広島県 9 14 19 42
山口県 4 5 6 15
徳島県 2 5 6 13
香川県 5 2 5 12
愛媛県 8 5 4 17
高知県 1 2 3 6
福岡県 31 29 43 103
佐賀県 0 1 1 2
長崎県 2 0 5 7
熊本県 6 1 3 10
大分県 5 2 4 11
宮崎県 1 1 3 5
鹿児島県 1 3 4 8
沖縄県 4 1 6 11

文:M&A Online編集部