中小企業庁のM&A支援登録機関、昨年度を上回る2887件に

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M&A支援機関、昨年度の登録数を上回る

中小企業庁が2022年度公募を実施している「M&A支援機関登録制度」の登録ファイナンシャルアドバイザーと仲介業者の数が12月公表分で2887件となり、2021年度公募の登録数(2823件)を上回った。2月13日の締め切りまでに、どこまで増えるかが注目される。

12月公表分で2887件、M&A専門業者が1085件

12月公募分は11月公募分(2817件)から70件の増。内訳は法人2127件、個人事業主760件だった。種類別はM&A専門業者(FA・仲介)1085件、税理士598件、公認会計士288件、地方銀行77件、信用金庫・信用組合61件などとなっている。

2021年度は1次公募(8月24日~9月21日)で2278件が登録し、2次公募(1月21日~2月21日)では新たに545件の登録が認められた。2022年度公募は昨年9月21日に始まり、申請が認められた支援機関は9月分が2688件、10月分は2767件。締め切りまでに3000件台に届くかは微妙な状況だが、登録件数は毎月順調に増えている。

また、M&A支援業務専従者別の登録数は「0~2人」(2049件)が2000件を突破。設立年代別も業務経験が浅い「2020年代」(1417件)と「2010年代」(1114件)が大半を占めている。

事業承継・引継ぎ補助金の補助対象に

M&A支援機関登録制度は、経済産業省が2021年4月に策定した「中小M&A推進計画」に基づき、同年8月に運用を開始。国の事業承継・引継ぎ補助金(専門家活用事業)で設定されているM&A仲介手数料などへの補助は、登録制度で認定された支援機関が提供するサービスのみが対象となる。

事業承継・引継ぎ補助金は2023年度当初予算にも盛り込まれる見通しで、経済産業省は昨年8月の概算要求で前年度当初比3億7000万円増の20億円を計上した。事業価値の高まりを期待できるM&Aを促進するためには、申請数と採択率が頭打ち傾向にある同補助金の効果的な活用が求められている。

専門家活用事業の申請数は2022年度の1次公募で709件だったが、3次公募は408件に減少。採択率も50%余りのまま推移している。支援機関は同補助金の申請数と採択数が伸びなければ登録制度のメリットを享受できないため、M&Aを必要とする民間事業者と行政をつなぐ役割を積極的に担っていく必要がありそうだ。

文:M&A Online編集部