「事業承継アドバイザー講座」をM&A Onlineの記者が受講 オール100点とはならず。

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オール100点…とはならず。M&Aの講座を受けてみた。

M&A Onlineの記者が事業承継アドバイザー講座を受講してみた。3回のテストの結果は1回と3回は100点だったものの、2回は96点だった。テキストを見ながら解答できるため、3回とも100点を取って当たり前なのだが、ふと集中力が切れたのか。返信されてきた採点済みのテスト用紙に96点と書いてあるのを見た時は愕然とした。

記者が受講した事業承継アドバイザー講座は、事業承継がテーマだがカリキュラムにはM&Aに関するものが少なくなく、M&Aの基礎知識を身につけることができる。

講座はまとめて郵送されてくる3回分のテキストとテスト用紙を用い、月1冊ずつテキストを読み、問題に答え、解答用紙を毎月決まった日までに投函すれば、数週間後に採点された解答用紙が戻ってくる仕組み。

テキストを読み、テストに答えるのは、帰宅後の自宅で行うこともあったが、大半は朝の通勤電車の中で行っていた。電車の車内は確かに騒音がひどいが、話しかける人はおらず電話もかかってこないため、よく集中できる。

解答はテキストを確認しながら行うため間違うはずはないのだが、自宅でくつろぎながら解答していた時にやらかしたのかも...。

間違った問題は〇✕式で、「土地保有特定会社の場合、類似業種比準価額による評価が認められていない」は〇か✕かという内容。テキストには「次のような会社については類似業種比準価額による評価を認めない(つまり純資産価額方式による評価)こととした」とあり、続いて
①土地保有特定会社
②株式保有特定会社
③開業後3年未満の会社等
とある。

これは明らかに問題の答えが〇であることを示している。にもかかわらず、✕と答えたしまった自身の注意力の欠如にただただ反省。

この講座は金融検定協会(東京都豊島区)の「事業承継アドバイザー認定試験」(http://www.kintei.jp/kentei/)を受ける準備のためのもので、本番の試験では法務、税務、企業価値評価、事業承継アドバイス、戦略的承継対策の5分野から出題され、60点以上で合格する。とりあえずこの試験を受けるのが次のステップか。

検定制度はいろいろ じっくり考えて正しい答えを見つけて

M&Aの検定については、インターネットで調べたところ、このほかにも四つの制度が見つかった。一つは事業承継・M&Aエキスパート協会(東京都千代田区)が行っている「M&Aエキスパート認定制度(https://www.jme-a.jp/)」。

同制度は基本的な知識を身につけることができる「事業承継・M&Aエキスパート試験」と、上級認定資格である「M&Aシニアエキスパート養成スクール・試験」からなる。中小・零細企業の事業承継やマッチングを支援する人材、特にM&Aに精通した人材を養成するのが狙いという。

二つ目は日本経営管理協会(東京都千代田区)の「M&Aスペシャリスト検定試験(http://www.jima.org/information10.html)」。M&Aは、事業拡大や後継者難問題を解決する手段となるため、戦略的経営ノウハウや、関連する法律・税務・会計の知識が要求される。M&Aスペシャリストはこうした要請に応えるための資格という。

三つ目は日本M&Aアドバイザー協会(東京都台東区)の「M&Aアドバイザー養成講座(https://www.jma-a.org/)」。中堅・中小企業のM&Aにかかわるアドバイザーを養成する講座で、M&Aアドバイザーの開業や企業内の部門立上げ、研修などに向いたカリキュラムという。

四つ目は事業承継センター(東京都港区)の「事業承継士資格取得講座(http://www.jigyousyoukei.co.jp/shoukeishi/」。事業承継を相談されたが、自分の専門分野だけでは本質的な解決に導くことができず悔しい思いをしたという士業やコンサルタントが対象。相続対策、節税対策のほか、会社の理念や儲かる仕組み、独自のノウハウ、企業文化の承継などに関する幅広い知識とノウハウを身に着ける内容になっているという。

検定制度はいろいろあるがどれを選ぶかは受検者次第。じっくり考えて正しい答えを見つけ出して。

試験・講座名 運営団体 試験と活動内容
事業承継アドバイザー認定試験 金融検定協会 金融機関が職務遂行能力を評価する試験
事業承継・M&Aエキスパート試験 事業承継・M&Aエキスパート協会 日本M&Aセンターと、金融財政事情研究会が共同で企画・運営
M&Aスペシャリスト検定試験 日本経営管理協会 「経営管理士」、「経営監査士」、「M&Aスペシャリスト」、「事業再生スペシャリスト」の4資格認定事業を行っている
M&Aアドバイザー養成講座 日本M&Aアドバイザー協会 出張型養成講座もあり
事業承継士資格取得講座 事業承継センター 対象者は士業、コンサルタント限定

文:M&A Online編集部