どうなる今日の株主総会 武田、出光、昭和シェル、富士フイルム M&A 関連4社の動向は

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6 月28日に多くの企業が株主総会を開く。その中でM&A関連で注目を集めているのが武田薬品工業<4502>、出光興産<5019>、昭和シェル石油<5002>、富士フイルムホールディングス<4901>の4社だ。

武田薬品はアイルランドの製薬会社シャイアーの買収に6兆8000億円を投じる計画に、株主から待ったの声がかかった。

出光興産と昭和シェル石油は出光興産の創業家が反対し、暗礁に乗り上げた格好だが、創業家が合併に合意したとのニュースが伝えられたため、総会がどのように動くのか予断を許さない。

富士フイルムホールディングスは1月に米ゼロックスの買収を発表したものの、その後米ゼロックス側が合意を破棄し、これを受け富士フイルム側が提訴するなど、泥沼化の様相を呈している。

株主はこれら案件にどのような判断を下すのか。今日1日、この4社から目が離せない。

一部株主から待ったのかかった武田薬品

武田薬品は5月にシャイアーを買収すると発表。その後の決算説明会などで、買収後の経営に自信を示していた。買収額は日本企業としては最高額の6兆8000億円となるが、実際は自社株対価のM&Aと現金を組み合わせたスキームのため、実際に動く現金は3兆円強となる。

一部の株主がこの買収に反対し、1兆円を超える買収には株主総会の決議が必要との株主提案を提出。この提案の取り扱いによっては何らかの見直しがなされることも考えられる。

一方、シャイアー側は英国の法制度「スキーム ・オブ・アレンジメント」を活用する。同制度は武田薬品がシャイアーを買収するにあたって、シャイアー株主の過半数、議決権の75%以上の賛成が得られ、さらに裁判所の認可が得られれば、反対する株主がいても100%の株式を取得できるというもの。

クリストフ・ウェバー社長CEO(最高経営責任者)をはじめとする武田経営陣はシャイアーの株主総会については、何ら問題視はしていないようだ。

出光興産と昭和シェル石油の合併に現実味が

出光興産の創業家一族の反対で揉めていた昭和シェル石油と出光興産の合併が現実味を帯びてきた。

出光興産の創業家が求めていた出光の経営理念を守ることや、両社統合後の新会社に創業家側から2人の取締役が就任することなどを出光興産や昭和シェル石油が受け入れたためと伝えられており、今日の総会で、この報道がどのように取り扱われるか、注目される。

出光興産は2015年に昭和シェル石油との合併を発表したが、株式の3割ほどを保有する出光興産の創業家が反対し、交渉が続いていた。

この間、出光興産が公募増資に踏み切り、創業家の持ち株比率を下げる策を打ち出したのに対し、創業家は株式を買い増すなどの対抗措置を講じるなど、関係が悪化していた。

さらに香港の投資ファンドや村上世彰氏が関わる投資ファンドが出光興産株を保有するなど、複雑な状況になっており、創業家が合意するだけで、合併がすんなり進む状況にはなさそうだ。

富士フイルムホールディングスは1月に、米ゼロックスの買収を発表したが、米ゼロックスの大株主の反対で、米ゼロックスが5月に買収合意を破棄していた。この動きに対し、富士フイルム側は約1100億円の損害賠償を求めて提訴している。

当初の買収案は富士ゼロックスと米ゼロックスを経営統合したうえで、新会社の株式の過半数(50.1%)を取得し、9月までに子会社化するという内容。

現金を使わずに買収を実現するスキームに関心が集まり話題を集めた。この買収をめぐっては米国で係争中であることから、経営者の責任を追及する発言などが予想される。

いずれの株主総会も本日28日午前10時に始まる。武田薬品は大阪府立体育会館(大阪市浪速区)、出光興産はグランドハイアット東京(東京都港区)、昭和シェル石油はヒルトン東京お台場(同)、富士フイルムは東京ミッドタウン(同)で、それぞれ総会を開く。長い1日になりそうだ。

文:M&A Online編集部