「事業承継・引継ぎ補助金」チャンスは4回、申請は4月中旬から

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4月中旬から申請受付

中小企業庁は3月31日、2021年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表した。再チャレンジに取り組むための廃業に係る経費の一部を補助する「廃業・再チャレンジ」の類型を新設し、従前からの「経営革新」「専門家活用」との併用申請も可能とした。同補助金は4月中旬の申請受付開始を予定している。

「経営革新」「専門家活用」は最大600万円を補助

事業承継・M&A後の「経営革新」は「創業支援型」「経営者交代型」「M&A型」の3種類で、「創業支援型」は他事業者の経営資源を引き継いでの創業をサポート。「経営者交代型」は親族内などの事業承継、「M&A型」は事業再編・統合による経営革新などを支援する。設備投資費や人件費、店舗・事務所の改築費などが対象で、補助上限額は600万円。対象経費が600万円までの補助率は3分の2で、600万円~1000万円は2分の1。

M&Aの支援業者に支払う手数料やデューデリジェンス(DD)の費用などを補助する「専門家活用」は「買い手支援型」「売り手支援型」に区分。補助上限額は600万円(M&A未成約時は300万円)で、補助率は3分の2。ファイナンシャルアドバイザー(FA)・M&A仲介業者への経費は、国の「M&A支援機関登録制度」に登録したFA・仲介業者のサービスに限り認められる。

「廃業・再チャレンジ」を新設

「廃業・再チャレンジ」は事業承継・M&Aに伴う廃業に係る原状回復費、在庫処分費などを補助する。補助上限額は150万円(補助率3分の2)。2020年度第3次補正予算と2021年度当初予算では「経営革新」「専門家活用」の枠組みごとに廃業費用を200万円上乗せしていたが、事業承継・M&Aに伴い廃業する場合は単独で「廃業・再チャレンジ」を活用できるようになる。

一方、事業承継・M&Aで一部事業を廃業、あるいはM&Aが成約に至らないまま廃業して再チャレンジに取り組もうとする際は「経営革新」「専門家活用」との併用が可能なため、機動的かつ柔軟に補助金を活用できるようになる。

申請のチャンスは4回

同補助金は2021年1月、新型コロナウイルスの緊急経済対策として創設され、年間約550社の中小企業に対する支援を目指している。今回の公募ではいずれの類型も申請期間を4期間に分け、M&Aなどのタイミングに応じて申請できるようにする。各申請期間は後日、同補助金のウェブサイトで公表する予定。申請は「電子申請(Jグランツ)」のみで受け付ける。

文:M&A Online編集部

関連リンク:
中小企業庁:令和3年度補正予算「事業承継・引継ぎ補助金」の公募要領を公表します (meti.go.jp)
令和3年度 補正予算 事業承継・引継ぎ補助金 (jsh.go.jp)