年度末などに自身を振り返ると、「ムダが多いかも」と思うことはありませんか?今回は、業務における「省くべきムダ」と「省いてはいけないこと」を見極める方策を全4回に渡ってお伝えします。本日は第2回目です。
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[1]過剰品質のムダ
仕事をする際、「たくさん作る」「細部までこだわる」「時間をかける」などにウェイトを置いた品質管理は、一見良いことのようにも見えます。しかし、限られた時間の中で最大の成果を出すうえでは「過剰品質」と捉えられ、生産性向上を阻む原因となります。
過剰品質が起こる裏には次のような原因が隠れている場合があります。
・求められる適正な品質がわかっていない
・見栄や自己満足で品質を追求している
・他の仕事を積まれないよう、あえて手すきを隠している
これらのような「過剰品質のムダ」が自分の業務に隠れていないか見直したうえで、仕事の質を高めるQCDRS(品質(Quality)、コスト(Cost)、納期 (Delivery)、リスク(Risk)、セールス(Sales))の5つの観点から適正であるかを考え、改善を図ることが重要です。
[2]待ちのムダ
指示や決済を仰ぎたい上司が席を外していて、待ち時間が生じることはよくあります。
この待ち時間を「手持ちぶさたで何もしない時間」にしてしまうのは「待ちのムダ」です。
次に行う業務の手順を考えたり、新企画のアイデア出しをするなど、やることはたくさんあるはずです。短い時間に集中して考えることで良いアイデアが生まれるケースもあるので、スキマ時間の使い方は意外と重要です。
しかし、そもそも一日の間にスキマ時間があまりに多すぎるのは問題です。仕事の全体量を把握したうえで、同じような仕事はなるべくまとめて行い、報告の回数を減らすなど、一日のスケジューリングを改善する余地は十分にあります。
[3]コミュニケーションのムダ
過剰な情報は混乱を招きます。逆に、過少な情報は不要なやり取りを増やします。バランスの取れていないやり取りは、結果としてコミュニケーションコストを増大させ、ムダを生みます。
例えば、会議がよく長引いてしまったり、メールのやりとりが多く返信だけで半日が過ぎてしまったり、といった職場では「コミュニケーションのムダ」が蔓延している可能性があります。
その場合、改善策としては、「会議ではゴールを明確にし、進行を分単位で区切るルールを作る」や「メールを見る時間を決めたり、メール以外の連絡手段を検討する」といったことが考えられます。
不要不急のやりとりを避け、適切なコミュニケーションの時間を決めて行動することができれば、ムダを削減しつつ、職場で必要な情報を共有することが可能です。「このままでいいのかな?」と一度でも職場で疑問に思ったら、「ムダを減らせるのでは?」と立ち止まって考えてみましょう!
[4]分業のムダ
分業は「単純」「大量」の作業を役割分担によって効率化するためには有効です。しかし、分業が進むと他の場所や担当者ごとに何をやっているかが見えなくなり、必要なコミュニケーションも取りにくくなります。
その結果、例えば営業1課と2課が同じ顧客に同時にテレアポしてしまう、商品を発送する部署との連携が悪く顧客への提供が遅れてしまう、といった事態に陥るのは「分業によるムダ」と言えます。
改善策として、電話業務を一括して担うコールセンターを作る、反復作業の多いPC処理はRPAを導入する、といった業務の集約化や自動化を検討することも、組織全体のムダをなくすことにつながります。
[5]工程のムダ
工程が複雑であったり必要以上に多かったりすると、関わる人が増え、ムダなやり取りやミスが起こりやすくなります。何かの申請を許可する際に必要となる承認者の数がやたら多い、役割分担のプロセスが細く一つの業務で何度も往復する、といった非効率的な業務フローになっている組織は、今すぐ見直しを図るべきです。
「工程のムダ」を見つけるには、「可視化」することが何より有効です。具体的には、業務の進め方を順序立てて整理したり、手順をフロー図に落とし込んだりして作業の流れを把握することで、客観的に問題の箇所を発見できるようになります。また、誰と何をすればよいかもすぐに分かるようになります。
株式会社インソース より