部下指導でよく活用されるのが、ティーチングとコーチングの2つの手法です。実はこれらには明確な違いがあります。それぞれの特徴や活用のメリットを見てみましょう。
業務に不慣れで社会人経験も少ないメンバーへの指導は、ティーチングが有効です。主に新入社員~若手層、あるいは異動・中途入社からあまり時間が経過していない業務に関する知識が不十分と思われるメンバーへの教育に使われる手法で、決まった方法や考え方を教え込みます。指示内容を忠実に実行させるのが目的で、すべてのメンバーに同じ内容を、指導者側から一方通行でブレなく伝えることが大切です。
指導者1名から、多数の対象者に向けて指導する時にはこの手法がとられます。指示にあたってはメモをとらせ、伝えたことを伝えたとおりに実践できているかを細やかにチェックします。
一方コーチングは、一定のスキル・知識がある相手に対して活用することでその効果を発揮します。自分で目標やその実現方法を導き出せるように支援します。本人の状況や特性に合わせ、何をすべきかを自分で決められるようにします。つまり、指導者と指導を受ける人は基本的に1対1で、個別の指導内容です。
なぜそう思うのか、どうしてこうした方がいいのかを本人に考えさせ、似たような事象が起きたときに応用を利かせられるように促します。主体性を促すのがコーチングの特徴です。カウンセリングはこちらの指導法と相性が良く、傾聴の姿勢や質問をして考えを引き出す力、相手を認め自信をつけさせるテクニックを磨くことでスキルを高めます。
中にはティーチングよりもコーチングの方が優れている、と思っていらっしゃる方もいるかもしれませんが、これらの手法にそもそも優劣をつけられるものではないとインソースは考えます。あくまで教育しようとしている相手の状況によるからです。違いをきちんと認識したうえで、育成方針や教育方法を固めていきましょう。若手であっても勘が鋭く考える力が十分にある方、社会人経験は豊富でもITリテラシーがあまりないベテランもいらっしゃいます。相手を見極め、一方の手法であまり成果が出ないと感じる場合は、都度やり方を変えてみるのも一案です。
株式会社インソース より