女性管理職比率30%超を現実に!真の女性活躍推進とは④

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ステップ2:管理職になることに前向きな女性が複数いる

全社における女性比率は少なくないものの、管理職の女性がまだいない、管理職になりたがる女性もいない......こうした組織でよく指摘されるのが「ロールモデルとなる女性管理職がいない」という点です。前例がないと周りの目が気になる、責任の重い仕事と家庭のバランスを取れるのか不安で前向きになれないなど、管理職になることへのネガティブな感情を抱く女性も多いと思います。

・「いきなり管理職」ではなく、順を追って意識を高める
こうした女性に対しては、順を追って管理職への意識を高めることが必要です。いきなり「管理職を目指せ!」ではなく、まずはフォロワーとして上司を補佐することや、リーダーとしてメンバーを鼓舞しながらチームの成果を生み出す中堅としての役割を担ってもらいましょう。その役割にやりがいや手ごたえを感じてもらえたら、次のステップとして管理職を意識できるようになります。

・"マネー"の観点から現実的に考える機会をつくる
さらに、人生100年時代に備えた将来設計に欠かせない"マネー"の観点から、今後のキャリア形成について考える機会を提供することも、管理職へのキャリアアップを現実的に考えるきっかけとなります。生成AIなどの技術革新により消滅する業務が増えることが予想される中、管理職になるという選択肢を持つことは、望む人生を叶えるうえで益々必要となるでしょう。

・女性にも仕事力獲得・キャリア形成を意識した業務配分を行う
管理職になりたい女性が増えない組織の構造的な問題として、「合理的な理由もなく女性に任せる業務を限定している上司が多い」ことがあります。こうした組織の男性社員は、メンバーの育成や他部署との調整などリーダーシップや判断力を磨く業務を多く与えられ、チームで成果を出す経験を積むチャンスや成長機会に恵まれているため、スムーズにマネジメント業務に移行できます。一方女性社員に対しては、仕事力獲得・キャリア形成を意識した業務配分が行われていないという現状があります。

<無意識のバイアスがもたらす悪循環>

偏った業務配分の背景にあるのが、「女性はサポートが得意」「女の子に〇〇させるのはかわいそう」「子供を持つと大変だろう」といった無意識のバイアスです。一見、相手を思いやっているように見えますが、成長の機会やチャンスを奪ってしまっている可能性は否定できません。

さらに、このようなバイアスは、男性のみならず女性も持っており、女性自身が自分にリミットをかけてしまうことがあります。


無意識のバイアスによって業務配分が偏り、獲得する仕事力が限定されると、スキルやキャリアの不安につながります。これが、昇進意欲の低下や早期離職を引き起こし、負のスパイラルの発生を招きます。

女性には経験を積んでスキルを獲得する必要性を、男性を中心とした管理職には、そのための機会提供と適切なサポートを行う重要性を根気よく訴え、従業員全体の意識を変えていくことが、負のスパイラルからの脱却には必要不可欠です。

ステップ3:女性管理職が複数いる

ステップ1~2を経て、いよいよ女性管理職の数を増やしたい、という段階になると、すでに意欲のある女性は登用しきってしまい、次の候補者が見つからないという課題に直面します。しかしこの段階では、社内にロールモデルがいることが大きな強みとなります。

例えば、女性管理職と若手社員との座談会や、ワーキングマザー同士の横のつながりを深める場を設け、どうやって壁を乗り越えてきたのかという事例の共有ができる機会をつくると、女性管理職候補者の裾野をさらに広げることができます。

そして、候補者を定期的に管理職に登用できるよう、すでに係長の女性は課長職、課長の女性は部長職に昇格させ、初級管理職のポストを空けていく取組みも進める必要があります。しかし、現場リーダーやプレイングマネージャー的な役回りはこなしてきても、重要な経営判断が求められる上級管理職になるのは不安、経験もスキルも足りず自信が持てない、という女性も多いでしょう。

そうした女性に対して男性役員がメンターとなって導いていくという施策を打つ組織もあります。また、これまでの業務で身につけてこなかった判断力や問題解決力、交渉力といったマネジメントスキルを、研修受講などを通じて獲得してもらうことも効果的です。

最後に

2023年に決定された「女性版骨太の方針」では、2030年までに女性役員の比率を30%以上とする目標が盛り込まれました。今の段階では途方もなく難しいと感じる目標も、段階的にステップを踏み、現状を少しでも前に進めていくことが大切です。

まだ道半ばという組織の皆さまにおいても、女性がさらに活躍できる組織づくりに向け、本コラムでご紹介したステップと必要な取り組みを参考にしていただけますと幸いです。

株式会社インソース より

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