会議を成功に導く「4つのファシリテーションスキル」 ~意見を活性化し成果を出す会議の進め方②

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前回は、会議を円滑に進め、成果につなげるための「ファシリテーション」の基本的な考え方と、ファシリテーターの役割についてご紹介しました。

今回は、スキルを実際の会議でどのように活用すればよいのか、ケース2~4を通して、意見を活性化し、納得感のある結論へ導くための具体的なポイントをご紹介します。

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会議を成功に導く「4つのファシリテーションスキル」①

(2)4つのスキル活用事例

それでは、ファシリテーターに必要な4つのスキルが実際どのような場面で使われているのでしょうか。 会議の「困った」事例とともに解説いたします。

ケース1
会議が終わった後、いつも「結局何も決まらなかったね」と言われてしまう。
会議の目的がはっきりせず、参加者の中には出席する意味がよくわかっていない人も多い。

★場のデザインスキルを使います
良い会議を開催するには「事前準備」が必要です。「事前準備」とは、会議の場所や日時設定といった準備だけでなく、 会議の目的や議題、参加者の心構えなどを事前に整えておくことも意味しています。 会議を実施する前に参加者に伝えることを明確にしておきましょう。

会議は団体戦!?種目ごとにルールを決めよう

会議には次のような種類があります。

・決める会議
・情報共有の会議
・アイデア出しの会議 など

スムーズな会議進行を行うため、会議ごとにルールを決め、参加者に伝えましょう。ルールを決めることで時間内に終わらない・発言者が偏るなどの問題を解消します。会議中はホワイトボードなど常に目に見えるところに書いておくといいでしょう。

ルール例~時間内で合意まで進めたい

・相手を非難せず、互いの意見を尊重する
・説明は3分以内、発言は1回1分以内など時間を決める
・質問などがある場合も、発表者の話をいったん最後まで聞いてから発言する
・会議で決定した事項は、会議中に蒸し返さない

決めたい内容の趣旨・理由を事前に連絡し、当日冒頭でも共有します。時間が限られている中で決定しなければならない場合「タイムキーパー」を置くことも有効です。

例:「今日の会議のテーマは2つあります。○○と□□についてです。各グループで最初に話し合っていただきますが、発言時間はお1人3分以内にできるよう準備をお願いします」

ルール例~活発にアイデアを出してほしい

・全員に1回は発言してもらう
・人の話を遮らない
・出た意見に対して文句を言わない 

「アイデア出しの会議」の場合は、何についての意見を募るのか、問題点を鮮明にし、具体的な数値を提示します。

例:「〇時間で新たなアイデアを〇個出すことを目標としています。1人3個ほど発表をお願いいたします」

ケース2
「何か良い意見はありませんか?」と聞いても誰も発言しない。
結局いつも同じ人が意見をしていて、若手や新人などは傍観者になることが多くなってしまう。

★対人関係(コミュニケーション)のスキルを使います

他の参加者への遠慮や上下関係などが影響して、本音での意見が出ないことがよくあります。
ファシリテーターは中立的な立場から、こうした"隠れた"意見を引き出すことが役割です。
参加者が意見を言いやすいよう支援し、安心して発言できる雰囲気を作りましょう。

安心できる環境を作る

ファシリテーターは、安心して意見を出しやすい環境づくりを意識します。 初対面の参加者がいる場合などは、最初に自己紹介や近況報告などで場を和ませてから 本題に入るとスムーズです。

・議題に入る前に、参加者の状況を全員に案内する
例:「本日の参加者は10名です。〇〇さん、△△さんはリモートでの参加です」

・会議に入る前に、自己紹介や近況報告など、参加者から一言発言してもらう機会を作る
例:「本日は初めての方も多いので、お1人1分以内で自己紹介をお願いします」

ファシリテーターは中立な立場を守る

ファシリテーターは、議論と参加者の意見が「ズレた」時でも、同意・反対はしません。
中立の立場から意見を受け取り、フォローしながら記録していきます。
ひとつの意見として受け入れながら、付箋やホワイトボードに書いていくことで「前向きに受け取ってもらえた」という雰囲気を作ります。
そのうえで、さりげなく本筋に戻すと角が立ちません。

例:「なるほど、そういうご意見もありますね」
  「〇〇についても考えることは重要ですね。(ところで)□□については、ご意見いかがですか」

ケース3
いろいろと意見は出るが、雑談のような雰囲気でなんとなく会議が進み、結果的にまとまらないまま会議が終わってしまう。

★ 構造化のスキルを使います

議論を通じて様々な意見が出てきたら、今度はそれを会議の目的に沿った形で、収束させていかなくてはなりません。
会議で出た意見を参加者が理解し共有できるように、整理し記録することが必要です。

意見を可視化し参加者全員で共有する

議論を「見える化」「図解化」することで、全員が同じ視点で議論を可視化することでき、相互理解も深まります。
色分けやグループ分けをすることで、整理・論点を絞り込んでいくとより効果的です。
オンラインで実施の場合もホワイトボードを映したり、画面共有などの機能を使うことで可視化できます。
操作がスムーズにいく方法で行いましょう。

<可視化の例>
・色別に意見を分ける
・グループ化する
・出た意見の関係性を整理して構造化する

事前に意見を可視化しやすくしておく

ホワイトボードやパワーポイントなどを活用することで、議論を進めながら意見を可視化していくことができます。

例:ホワイトボードなどを縦に2分割しておきます
賛成と反対、理想と現状、メリットとデメリットなど、対立軸を明らかにし、出た意見を記入していきます。
その際、色分けするなどわかりやすくまとめていきます。

ケース4
決定しなければいけない会議で、意見の対立が起こってしまって収集がつかなくなってしまったり、意見がまとまらず議論が堂々巡りしてしまう。

★合意形成のスキルを使います

意見の合意が難しい方向に議論が進んだら、一度会議の目的を思い出すことが大切です。
意見の対立なども目的に照らし合わせて、どの意見がより目的に適したものなのか考えるとよいでしょう。
ファシリテーターには、中立な立場から参加者が納得して自らゴールに同意できるよう支援することが求められます。

・参加者の視点の切り替えを促す

対立の構図に入ってしまうと、双方とも自分の立場でしか、ものを見ることができなくなってしまいます。
ファシリテーターは、それぞれの立場から見た意見を中立的に相手側に伝えることで、双方に「視点の切り替え」を促しましょう 。
また、妥協点や代替案を提示することも一つの手です。

例:「両者の意見を踏まえ、あくまでも例ですが、このようなことは検討できますでしょうか?」

・第三者に任せる

意見は出たものの議論がまとまらない場合は、議題の最終責任者などに一任して決着を図るのもいいでしょう。
参加者に意思決定の方法を提示することが大切です。

例:「色々な意見が出ましたが最終的に〇〇長に決めていただくということでいいでしょうか」