生成AIは、資料作成、情報収集など、日常業務の効率化に大きな効果が期待される技術です。実際、日本企業でも活用は着実に進みつつあります。一方で、多くの企業では「現場に定着しない」「特定部門だけの利用にとどまる」「期待した成果につながらない」といった壁に直面しています。
インソース総合研究所では、企業における生成AIの本格的利用促進を妨げる要因を明らかにするため、問題意識調査を実施しました。調査では、推進部門、経営層の認識、活用段階、主要課題、人材・教育、セキュリティ・コンプライアンス、中長期ビジョンなどを多面的に整理し、その解決策の示唆をまとめました。本調査報告を、「自社の生成AI活用がなぜ広がらないのか」「次にどのような手を打つべきか」を見極める、ヒントとしてご活用いただければ幸いです。
インソース総合研究所が2026年4月に実施した「生成AIの本格的利用促進に向けた問題意識調査報告」(回答者数1,010名)では、生成AI活用の実態や、活用を阻む課題が複数の角度から浮き彫りになりました。
生成AI活用を組織に定着させるには、現場任せではなく、まず経営層が活用の目的や期待水準を明確に示すことが重要です。
「何のために使うのか」「どこまで活用を目指すのか」が曖昧なままでは、各部門が個別に試行するだけにとどまり、全社的な展開にはつながりません。生成AIを単なる効率化ツールとしてではなく、競争力の源泉として位置づける視点が求められます。
生成AI活用を進めるうえで、最大のボトルネックになりやすいのが人材面です。
必要なのは、外部採用だけに頼るのではなく、課題を牽引する中核人材を定義し、社内で計画的に育てていくことです。加えて、一部の専門人材だけでなく、全社員の基礎リテラシーを底上げしながら、高度に活用できる人材も早期に育成していくことが重要です。知識習得に偏った学習ではなく、実践型・伴走型の育成へ転換することが、活用定着の近道になります。
生成AI活用を広げるには、安心して使える環境の整備が欠かせません。
未整備なデータ基盤を整理し、利用時の責任範囲やルールを明確にすることが、継続的な活用の前提になります。また、セキュリティを重視するあまり利便性が下がれば現場利用は進まず、逆に利便性だけを優先するとリスクが高まります。活用を促進するためには、セキュリティと利便性を両立させた設計が重要です。
生成AIの浸透は、業務の進め方だけでなく、雇用やキャリアのあり方にも影響を与える可能性があります。
そのため、将来的な業務代替を見据えたうえで、早い段階から制度設計や新たなスキル定義、再配置モデルの検討を進めることが必要です。あわせて、評価制度の見直しや学び直し支援を行い、従業員が将来に不安を抱えたままにならないよう、組織として丁寧に支える姿勢が求められます。
生成AI活用を進めるうえで、本当に重要なことは、「ツールを導入したか」ではなく、「なぜ広がらないのかを把握できているか」です。
これらの課題を整理しないままでは、生成AI活用は「点」で終わってしまいます。
株式会社インソース より
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