サッカーのアイスランド代表と北京五輪男子400メートルリレーの日本チームの共通点は、「必勝」ではなく「負けない」ことを狙った合理的な戦略・戦術にある。「弱者の戦略」とはそういうものであり、それが正しい。
圧倒的に力が上の者に対して「勝つ」のは難しく、それを狙えば必ず負ける。「負けない」ための戦略・戦術こそ、弱者が勝利する可能性を引き上げる手段なのだ。
剣豪であり知識人でもあった平戸藩第9代藩主の松浦静山(まつら・せいざん)は「勝ちに不思議の勝ちあり 負けに不思議の負けなし」と看破した。勝ちには偶然が左右するが、負けには必ず原因があるという教えである...