お正月だからこそ要チェック!「ふるさと納税」の最新トレンド

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ふるさとでお正月を迎えている人も多いだろう。折しも1月は暦年が基準となる「課税の節目」でもある。そこで「お得な税制優遇策」として定着した「ふるさと納税」の新しいトレンドを紹介しよう。ふるさとで新年を迎え「地元に何らかの貢献をしたい」との思いを強くしている人は、ぜひ「ふるさと納税」にチャレンジしてほしい。

東京23区にもできる!「ふるさと納税」

都市住民に人気の「ふるさと納税」だが、これに伴う地元住民の所得税還付や住民税控除の結果、市税収入が減少する大都市の自治体にとっては、まさに「天敵」のような存在といえる。2019年6月には東京都が同制度からの脱退を決めた。

が、脱退したのは東京「都」のみで、都内の市区町村は全て「ふるさと納税」に参加している。意外に思われるかもしれないが、東京23区に対しても「ふるさと納税」は可能なのだ。「ふるさと納税」による税収減を食い止めるため、返礼品に力を入れる都内自治体も多い。

たとえば目黒区。1万2000円以上の寄付で柿の木坂 Quatre(キャトル)の手作り焼き菓子詰合せがもらえるほか、110万円以上の寄付でホテル雅叙園東京のスイートルーム(240平方メートル)に宿泊(1泊2食)できる。

足立区では2019年に5万円以上の寄付で「足立の花火」(7月開催)観覧席ペアチケットを提供した。今年も返礼品として提供される可能性が高いので、東京で花火をゆったり鑑賞したいのなら要チェックだ。昨年は6月1日から受付を開始している。先着20組限定だったので、気になる人はお早めに。

東京出身者は地元自治体に「ふるさと納税」して、同制度による減収に悩むふるさとを支援してみてはどうだろう。

「返礼品なし」という選択

「ふるさと納税」は、正式には税の優遇を受けられる「寄付」であり、「返礼品なし」が最も自然な形といえる。とはいえ自治体もタダ取りでは「ふるさと納税」が集まらないので、具体的な使途を明示している。

最近の「返礼品なし」のトレンドは「災害からの復興」だ。2019年10月31日に発生した首里城火災翌日の11月1日、沖縄県は全焼した首里城の復元に向けた「ふるさと納税」を募集。返礼品がないにもかかわらず、同12月25日時点で4万7913人から8億円を超える申し込みがあった。

昨年の台風19号被災では全国で80の自治体が「ふるさと納税」による復興支援を募っている。過去最高とされている「返礼品なし」の「ふるさと納税」は2016年の熊本地震の復興支援で、約19億円が集まったという。被災自治体にとっては、ありがたい「財源」だ。

震災や巨大台風などではボランティアによる「人力復興」が大いに役立っているが、その時間が取れない人や高齢者などボランティア活動への参加が難しい人にとって「ふるさと納税」による支援は格好の選択肢になるだろう。

ポイントを使って「無料納税」

「お金を使わなくても、ふるさと納税ができる」と聞くと驚かれるかもしれない。が、事実だ。フリマアプリのメルカリ<4385>か運営するスマホ決済サービスのメルペイは2019年11月、トラストバンクと提携して同社が運営するウェブサイト「ふるさとチョイス」での決済サービスを開始。メルペイで「ふるさと納税」ができるようになった。

「スマホ決済で支払うのなら、やはりお金が必要じゃないか」と思われるかもしれない。だが、そこはメルペイ。取得したポイントやメルカリで不用品を販売した売上金を利用すれば、新たな支出なく「ふるさと納税」ができるわけだ。

ただし、全自治体でメルペイ払いが利用できるわけではない。メルペイが利用できる自治体は「ふるさとチョイス」のウェブサイト(https://www.furusato-tax.jp/feature/a/merpay)で確認できる。

トラストバンクによると、QRコード決済サービスで「ふるさと納税」ができるのはメルペイが初めてという。使いみちが決まっていないポイントや売上金を「ふるさと納税」に利用して、ふるさと支援と返礼品の一石二鳥を狙ってみるのも悪くない。

文:M&A Online編集部