【M&A用語解説】

グリーンメール(Green Mail)

「株を買い占めて会社を乗っ取るぞ!」と対象企業の経営陣を脅し、所有する株式を高値で買い取らせるための一種の脅迫状。これをしょっちゅうやる人をグリーンメーラー(Green Mailer)と呼ぶ。日本では小糸製作所の株式をトヨタに引き取らせたブーン・ピケンズ氏が有名。

スリーピング・ビューティー(Sleeping Beauty;眠れる森の美女)

資産や収益力が優良であるにもかかわらず、時価総額が低い評価になっているなど、買収メリットが大きく、かつ無用心に見える企業を指す。当時話題となったニッポン放送はフジテレビやポニーキャニオンなどの優良企業の株式を大量に保有していたにもかかわらず、それらの価値よりも時価総額の方が低い状態であった。その他、東宝が2011年に買収したTOBで+343.11%のプレミアムがついたコマ・スタジアムなどは、典型的なスリーピング・ビューティーであったといえる。

ポイズン・ピル(Poison Pill;毒薬条項)

敵対的買収に対し、自社を防衛する措置として(やむを得ず)既存株主に対して新株予約権を付与したり、従業員にストックオプションを与えたりしておくこと、またはこのようなことのできる条項を自社の定款に入れておくこと。敵対的買収を仕掛けられた際に新株予約権ストックオプションの行使、または行使の可能性により自社側株主の(潜在)株式数は増え、敵対する企業の買収コストが大きくなる。
行使されないままの状態で買収すればまさに腹に入った毒薬として作用し、買収後に過半数(マジョリティ)がひっくり返り、支配権がなくなってしまうといった事態も想定し得る。いまではこの毒薬条項は米国の主だった企業の過半数が導入しているといわれているが、米国での発動事例はまだない。

ホワイトナイト(White Knight;白馬の騎士

元々はアーサー王伝説に出てくる英雄である。敵対的買収を仕掛けられた企業側に立つ有力な支援者のこと。ライブドア/ニッポン放送の騒動では、ソフトバンクがフジテレビ/ニッポン放送側に立つ友好的な株主として登場した。しかし、ホワイトナイトとて多額の出資をするわけで、それ相応のリターンを求めていると考えるのが妥当であり、通常ななんらかの意図があるはず。従って純粋な意味でのホワイトナイトは存在しないといえるだろう。

プライベタイゼーション(Privatization;公開会社の非公開化)

発行済み株式を大量に自社株買いしてその過半数を金庫株とする方法や、ペーパーカンパニーを設立し、その設立した会社がTOBをすることで、結果として自社を上場廃止とするもの。自社を非上場にすることで敵対的買収のターゲットとならないようにする究極の敵対的買収防衛策といえる。欧米ではそれほど珍しくない手法である。

(次回へ続く)

文:株式会社ストライク 鈴木伸雄/編:M&A Online編集部

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