非上場会社と非公開会社はどう違うの?

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「非上場だから非公開」とは限らない

 「非上場会社」と「非公開会社」-どちらも同じ意味で使われるケースが見受けられますが、全くの別物です。先ずは非上場会社ですが、こちらは文字通り証券市場に上場していない会社を指します。一方で非公開会社を非上場会社と同じとするケースも散見します。実は「非公開会社は非上場会社だ」は正解ですが、必ずしも「非上場会社は非公開会社だ」とは限りません。なぜこういうことが起こるのでしょうか?

 非公開会社とは会社法でいう「公開会社ではない株式会社」に当たります。一言でいえば「会社の許可なく勝手に自社株を他人に譲ってはいけないという譲渡制限がついている株式会社」のこと。自社株の譲渡制限がなければ、非上場会社であっても公開会社となります。反対に非公開会社は会社の許可がない株式譲渡を一切禁止しているため、例外なく非上場会社です。

大手なのに「非公開」?

 非公開会社は1人でも株主総会を開けますし、取締役も1人でOK。それどころか取締役会を置く必要すらありません。さらには通常2年の取締役の任期も、最長10年まで延長できます。非公開会社は2006年5月1日の新会社法施行で廃止された有限会社(現・特例有限会社)に似ています。いかにも中小企業…というイメージですが、日刊紙を発行する新聞社のほとんどが報道の中立性を保つために非公開会社にしています。社員数4,000人を超す大手新聞社も非公開会社なのです。

大手新聞社にも非公開会社が
日本では新聞社の多くが非公開会社… Photo by Jon S

文:M&A Online編集部