SUVなどの中古車販売を手がける「グッドスピード」バイク事業にアクセル

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写真はイメージです

SUV(スポーツタイプ多目的車)、ミニバン、輸入車などの中古車販売を手がけるグッドスピード<7676>が2021年3月1日に、バイクメーカーの米ハーレーダビッドソンとイタリアのベスパの正規ディーラーを運営するチャンピオン(名古屋市、売上高7億1800万円)を傘下に収める。

同社は2020年5月に中古バイク販売やレンタルバイクなどのバイク事業に参入した後、同年10月にはドイツのバイクメーカーBMW Motorradの正規ディーラーであるMotorrad Gifu(岐阜市)をオープンしており、今回のM&Aでバイク事業が一気に拡大する。

グッドスピードとはどのような企業なのか。

バイク事業と四輪事業のシナジーを追求

グッドスピードは2002年に、グッドスピード春日井SUV専門店(現グッドスピード春日井ミニバン専門店)を愛知県春日井市に開業したのが始まり。以後店舗数を増やし事業を拡大し、2015年にはレンタカー事業を立ち上げ多角化した。

2019年に東証マザーズに上場し、2020年にはエンジョイレンタカー(那覇市)から事業を譲り受け、沖縄県でもレンタカー事業を始めた。

2020年に参入したバイク事業では、Motorrad GifuがBMW Motorrad全ディーラーのオープン初月登録台数で、過去最多の登録台数を達成するなど順調な立ち上がりを見せた。

同社では「四輪事業で培ってきたノウハウをバイク事業で活かすことができた結果」とし、バイク事業に自信を深めており、こうした状況を踏まえ、チャンピオンの子会社化に踏み切った。

チャンピオンは1965年の創業で、1985年にハーレーダビッドソンの正規ディーラー事業を始め、現在は愛知県と静岡県で合計4店舗を展開。1997年からの9年間はハーレーダビッドソンの日本最優秀ディーラーを受賞している。

グッドスピードはこれまでのBMW Motorradに加え、ハーレーダビッドソンの正規ディーラーを運営することで、バイク事業と四輪事業のシナジーを追求し、バイク事業の拡大はもちろん、バイク顧客と四輪顧客の双方に販売できる商材の販売などにも取り組む計画だ。

2021年9月期は大幅な増収増益に

グッドスピードの2021年9月期第1四半期の売上高は96億2700万円(前年同期比27.8%増)、営業利益は6600万円(前年同期は500万円)、経常利益は4500万円(同1700万円の赤字)、当期利益は2100万円(同ほぼゼロ)とコロナ禍の中、好調な滑り出しとなった。

2021年9月期通期では売上高420億円(前年度比24.6%増)、営業利益6億円(前年度は1億2400万円)、経常利益4億4000万円(同300万円)、当期利益2億6000万円(同2400万円の赤字)と大幅な増収増益を見込む。

バイク事業がどこまで伸びるのか。ハーレーダビッドソンという新たなプレーヤーが加わったことで、さらなる上積みの可能性もありそうだ。

文:M&A Online編集部