ゴルフ関連の上場3社、そろって増収も利益はまちまち

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ゴルフ関連の上場企業3社(平和<6412>、ゴルフダイジェスト・オンライン(GDO)<3319>、ゴルフ・ドゥ<3032>)がそろって2022年8月に決算を発表した。コロナ禍の中、感染リスクの低いスポーツとして若者を中心に愛好者が増えつつあることから、3社ともに増収を達成した。

ただ、営業利益はまちまちで、増益1社、減益2社といった結果となった。それでも通期では3社ともに増収営業増益を見込んでおり、そろそろコロナ禍から脱する兆しが見えつつあるようだ。それぞれの状況を見てみると。

取得したゴルフ場もプラスに

平和は、子会社のパシフィックゴルフマネージメント(PGM、東京都台東区)を通じて、全国でゴルフ場やゴルフ練習場の運営を手がけており、2022年8月4日に発表した2023年3月期第1四半期決算では、8.4%の増収、79.9%の営業増益となった。

コロナ禍でコンペ需要が減少し顧客単価がコロナ前の水準に戻っていないものの、前期に取得したゴルフ場が加わったことや、梅雨が短かったことなどから増収増益となった。

通期では、パチンコなどの遊技機事業も加わるため、ゴルフ事業のだけの数字ではないが、2023年3月期は売上高1380億円(前年度比13.5%増)、営業利益207億円(同2.02倍)を見込む。

【平和の業績推移】単位:億円、2023年3月期は見込み

2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期
売上高 1077.44 1215.58 1380
営業利益 53.11 102.35 207

海外事業は好調に推移

GDOはゴルフ用品販売やゴルフ場予約などの事業を手がけており、8月10日に発表した2022年12月期第2四半期決算は11.9%増と2ケタの増収となったものの、営業利益は11.2%の減益となった。

米国を中心にカナダや東南アジアなどでゴルフレッスン事業を展開している米子会社のGolfTECなどの海外事業は、大幅な増収を実現し営業利益も黒字化したものの、日本国内の事業が振るわず、減収減益となったのが響いた。それでも2022年12月期は強気の見通しで、売上高439億円(同10.9%増)、営業利益21億円(同23.0%増)を予想する。

【GDOの業績推移】単位:億円、2022年12月期は見込み

2020年12月期 2021年12月期 2022年12月期
売上高 336.9 395.94 439
営業利益 8.38 17.06 21

購入客単価は上昇

ゴルフ・ドゥは、中古ゴルフクラブの専門店を運営しており、8月12日に発表した2023年3月期第1四半期決算では、16.2%の増収、32.0%の営業減益となった。

購入客数は減少したものの購入客単価が上昇したため、売上高は伸びたものの、在庫調整のための値下げ販売などが足を引っ張り、営業減益となった。2023年3月期は売上高63億円(同9.9%増)、営業利益2億7200万円(同11.3%増)と増収営業増益を見込む。

【ゴルフ・ドゥの業績推移】単位:億円、2023年3月期は見込み

2021年3月期 2022年3月期 2023年3月期
売上高 52.66 57.31 63
営業利益 2.32 2.44 2.72

新型コロナウイルスの感染者数が高止まっており、収束の気配は見られない。ウクライナ情勢に伴うエネルギ-や原材料価格の上昇も先行きが見えない状況だ。果たして3社の読み通り、通期で増収増益を果たすことは可能だろか。

文:M&A Online編集部