ゴジラ、ゴジラ、ゴジラ……。東京駅日本橋口を出てすぐのところに、おススメのスポットがある。再開発中の建設現場の仮囲い(フェンス)に歴代ゴジラ全29作品のポスターが勢ぞろいしている。高さ3メートル、全長約140メートルというスケールでの展示は圧巻だ。ポスターの展示は2019年1月末までのロングラン。このゴールデンウイークを都心で過ごす人はもちろんのこと、ビジネスの合間や旅の途中に足を運んでみてはいかが。
題して「常盤橋ゴジラギャラリー」。三菱地所が東京駅日本橋口前で再開発中の「東京駅前常盤橋プロジェクト」のA棟(地上40階、高さ212メートル。2012年4月完成予定)が2月に着工したのに合わせ、その建設現場の仮囲いを利用してポスターを並べたもので、通りがかった人が自由に楽しめる。この常盤橋プロジェクトは2027年度に予定する全体開業まで10年超に及ぶため、工事期間中の周辺街区の賑わい創出を目的に仮囲い装飾を実施することにしたという。
企画に協力したのは東宝。実は2016年夏に公開されたシリーズ最新作(第29作)「シン・ゴジラ」に常盤橋プロジェクトが登場するシーンがあり、これが縁で東宝と三菱地所のコラボが実現した。ちなみに、A棟の建設地はかつて新日本製鉄(現新日鉄住金)の本社などがあったところ。
ゴジラは1954(昭和29)年、東宝によって特撮怪獣映画として公開されたのが始まりで、すでに60年を超える歴史を持つ。第1作「ゴジラ」は東西冷戦下、世界的問題となっていたビキニ環礁での核実験に着想を得て製作された。原水爆実験で大戸島の伝説の怪獣ゴジラが復活し、東京に上陸して帝都を蹂躙するという内容だった。第2作以降は怪獣同士の対決となり、アンギラス、キングコング、モスラ、キングギドラ、ラドン、エビラなど、ゴジラの宿敵として数多くの名怪獣を世に送り出した。
国民的人気を集めたゴジラ映画だが、栄枯盛衰もあった。興行収入の低迷で「メカゴジラの逆襲」(1975年公開)をもってゴジラシリーズの製作がいったん打ち止めになった。1984年に9年ぶりにゴジラが復活するが、2004年の第28作「ゴジラFINAL WAR」で再び終了。その12年後、「シン・ゴジラ」で再度復活したのだ。
歴代作品のポスターの絵柄はいずれも味わい深く、オールドファンにとっては昔観た映画の記憶がたちまちよみがえるに違いない。それぞれにストーリーの説明文もついており、昭和期のゴジラを知らないような若い世代も楽しめる。
ゴジラに会いたくなったら、ぜひ足をのばしてみよう。
文:M&A Online編集部