牡蠣専門店に士業の広告を手掛けろと迫るミネルヴァ法律事務所の幻影

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※画像はイメージ

全国でオイスターバーを展開する上場企業ゼネラル・オイスター<3224>が、筆頭株主に躍り出たネクスタ(東京都渋谷区)との対立に苦心しています。ネクスタを実質的に支配する兼子修一氏が、ゼネラル・オイスターに対して士業向けアフィリエイト広告事業や太陽光発電所の権利売買事業へと事業内容を変更することを迫り、株主提案権の行使を示唆しているというのです。

兼子修一氏はトラストフィナンテック(東京都千代田区)の代表取締役でもあります。この会社は2018年11月にRVH<6786>からリーガルビジョン(東京都渋谷区)の全株式を取得しました。リーガルビジョンといえば、過払い金返還請求を手掛けていたものの、2020年6月に51億円の負債を抱えて破産した弁護士法人「東京ミネルヴァ法律事務所」を実質的に支配していたと言われる会社です。

ゼネラル・オイスターは株主提案が2021年3月24日に締結した資本提携契約書に違反しているとして、徹底抗戦する構えを見せています。

この記事では以下の情報が得られます。

・ゼネラル・オイスターがネクスタと対立することになった背景
・ネクスタが要求している内容

ファンドからの株式を譲受して筆頭株主となったネクスタ

ネクスタが一時的にではあれ、ゼネラル・オイスターの救世主だったことは間違いありません。新型コロナウイルス感染拡大によって外食産業の市況が急速に悪化。ゼネラル・オイスターの2021年3月期の売上高は前期比34.7%減となり、6億4,100万円の純損失を計上しました。このときに1億1,600万円の債務超過へと転落します。

2021年3月にTRYFUNDS INVESTMENT投資事業有限責任組合(東京都港区)が、保有する株式をネクスタに売却。ネクスタは25.21%の株式を保有する筆頭株主となります。更に2022年1月にネクスタと阪和興業<8078>に対して第三者割当増資を実施。ネクスタに449,000株、阪和興業に112,000株を割り当てて4億9,000万円を調達しました。ゼネラル・オイスターは債務超過を解消し、2022年3月末時点で自己資本比率が38.3%まで回復しました。

増資によってネクスタの保有比率は29.72%まで高まります。

潮目が大きく変化したのが、2022年4月に提出されたネクスタからの株主提案。ゼネラル・オイスターの業績が継続的に低迷していることを理由に、兼子修一氏など5名を取締役として選任することを求めました。

■兼子修一氏の略歴

※ゼネラル・オイスター「株主提案に関する書面の受領のお知らせ」より

兼子氏は増資完了直後から、弁護士による債務整理・相続依頼を主軸とした士業向け広告および美容脱毛に関する広告と、太陽光発電所の権利売買等の事業へと、メイン事業を転換することを迫ってきたといいます。ゼネラル・オイスターは飲食店の運営を主力事業とし、牡蠣の養殖などを手掛けてきた会社。広告や太陽光発電所の権利売買等事業に精通した人物はなく、ノウハウ、シナジー効果がない「博打のような事業の大転換」だと猛反発しています。

ゼネラル・オイスターは取締役会の客観性と合理性を確保することを目的として独立委員会を設置。独立委員会を通して、株主提案の内容の精査・検討や交渉を行う体制を整えました。

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