ハウス食品<2810>は可愛い顔してヤルことは結構ヤル

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要点:フルーチェ、バーモントカレー、北海道シチューといえば、ハウス食品。テレビCMではAKBや武井咲を全面に押し出して、可愛さ満点な感じです。ところが、ビジネス面では香辛料、カレーの分野で寡占化を進めている超大人な企業。昨年12月にはCoCo壱番屋、そして今年5月ギャバンの買収へと動きました。日本人大好物の”カレー”がハウス食品に牛耳られている!という話。

■ギャバンの買収金額は66億円

ハウス食品は味の素が持っている株式の公開買付けにより、香辛料で有名なギャバンを買収すると発表しました。1株の買い付け金額は710円。買収金額は66億円となる予定です。

この買収には2つの側面があるでしょう。
①:香辛料調達先の安定化
②:新たな事業柱の確立

■ギャバンは香辛料調達先を世界中に確保

ハウス食品は世界中から香辛料を仕入れています。資源開発の商社と同じように、調達先を可能な限り開拓し、仕入れ先を決める形です(一部商社からの輸入)。

香辛料の原産地の多くは熱帯・亜熱帯。為替や政治情勢に価格が左右されやすいものの一つです。日本においては、ハウス食品、S&B、ギャバン3社の寡占状態が続いていました。ハウスはギャバンを買収し、調達先と工場、物流網を抑えたことになります。CoCo壱番屋にも100%香辛料を提供しているハウス食品は、原材料の安定供給が急務でした。

スパイス市場においては、S&Bが42.2%のシェアを占め、ハウス食品は17.6%。ギャバンは約5%でしたので、22%超を占めたことになりますね。調達先を拡大し、じわじわと市場を浸食しています。

■飲食店向け香辛料卸売ビジネスが新たな事業の柱に

ハウス食品の事業は大きく分けて3つありました。内容と28年3月期の売上はこんな感じです。
①:香辛料加工 1200億円
②:健康食品 345億円
③:海外食品 185億円

ここに4つ目の事業柱がプラスされました。CoCo壱番屋の買収による外食事業です。売上高はおよそ183億円。前期比173%という大幅増になりました。

ギャバンはプロ向けの香辛料が主力。多くの飲食店に販売チャンネルを持ち、B to Bビジネスに強い会社。28年3月期の売上高は95億円、今期は98億円を見込んでいます。

今回のギャバン買収により、ハウス食品は更に新たな事業柱を構築したわけです。家庭向け商品、外食、飲食店向け香辛料と寡占化を進めているといえます。

一度口にすると、やみつきになるカレーは麻薬と並行して語られることがあります。それを牛耳るハウス食品は、さながらマフィアのようでもありますね。

本記事は、「ブログ ビールを飲む理由」より転載しております


星野さん、そうっすよね、ビジネスホテルとシティホテル買いますよね。旅館なんてやってらんないっすよね。が、よく分かります
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