機能性高めた「スポーツマスク」が続々 支持を得るのはどのメーカー?

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写真はイメージです

気温の上昇とともに冬の間に中断していたスポーツを再開する人たちが増える中、スポーツ用品メーカーによる機能性を高めた新型スポーツマスクの開発が相次いでいる。

スポーツウエアメーカー・デサント<8114>、米国のスポーツシューズメーカー・ニューバランス、野球やゴルフ、ランニングなど幅広いスポーツ用具やウエアなどを手がけるミズノ<8022>が、2021年3月中旬に相次いで新製品を投入した。

電源のいらない空気清浄技術を取り入れたものや、新型コロナウイルス感染症拡大防止の知見を生かしたもの、たんぱく質を分解するハイドロ銀チタンを取り入れたものなど、さまざまだ。

最新技術の“品評会”の様相を呈しており、どのメーカーの技術が支持を集めるのだろうか。

電源いらずの空気清浄技術

コロナ禍でスポーツ時のマスク着用が定着しつつある。ただ、スポーツ中のマスク着用は息苦しいうえに汗でマスクが張り付くなど不快感もある。さらに、のどの渇きを感じづらいことから熱中症などの恐れもあるという。

そこで求められるのが、通気性の良さや速乾性、さらには抗ウイルス性、抗菌性などで、各社が開発にしのぎを削っている。

デサントの「デサント アスレティック マスク ion“e”air」

デサント傘下のデサントジャパン(東京都豊島区)は、Salute.Lab(サルーテラボ、大阪市中央区)が開発した電源いらずの空気清浄技術ion“e”air(イオニア)を内蔵したマスク「デサント アスレティック マスク ion“e”air」を発売する。

新型コロナウイルス対策に加え、花粉を気にせずスポーツを楽しみたいというニーズに対応して開発したもので、2021年3月17日から購入募集を始めており、4月末以降に数量限定で通販サイトや直営店、イオニアストアなどで販売する。価格は3300円。​

イオニアは、空気中の水分と反応することでイオンを持続的に発生させるもので、発生したイオンが花粉などのアレルギー物質を包み込んで落とす作用が期待できるという。

新型コロナ用マスクの知見を活用

ニューバランスの日本法人ニューバランス ジャパン(東京都千代田区)は3月17日に、ランニングなどのスポーツシーンでの使用を想定したマスク「アクティブパフォーマンスマスク」を発売した。

ニューバランスの「アクティブパフォーマンスマスク」

マスクは3層構造になっており、内側は湿気を逃して蒸れにくい素材を採用し、中間層は汗や湿気を逃がし、快適さを保つ生地を採用した。外側の素材は速乾性に優れ快適な着け心地や呼吸のしやすさを高めた。

ニューバランスは2020年3月から新型コロナウイルス感染症拡大防止を目的に、米国の医療従事者向けに100万枚を超えるフェイスマスクを製造しており、今回の「アクティブパフォーマンスマスク」は、この製造過程で得た通気性などの知見を取り入れて開発した。

ニューバランスのオンラインストアやオフィシャルストアのほか全国のスポーツ用品店で取り扱う。価格は3850円。

嫌な臭いを抑制

ミズノは、たんぱく質を分解するハイドロ銀チタンを含む素材を用いたマスク「ミズノハイドロ銀チタンマウスカバー」の直営店での販売を3月12日に始めた。

ミズノの「ミズノハイドロ銀チタンマウスカバー」

ハイドロ銀チタンテクノロジーは、DR.C医薬(東京都新宿区)が開発したもので、ミズノでは2017年からスポーツウエアやタオルなどに採用しており、繊維上の菌の増殖を抑え、嫌な臭いを抑制することができる。

今回のマウスカバーは、この消臭機能に加え、水着や陸上ウエアで使用している伸縮性に優れた素材を用いることで、顔の凹凸にフィットするように仕上げた。価格は1540円で、初年度24万枚の販売を目指す計画だ。

さて、どのマスクを使用すると、快適で運動のパフォーマンスを高めることができるだろうか。

文:M&A Online編集部