M&Aを検討する際、多くの方は、取引銀行に相談することを考えるだろう。取引銀行は、自社の経営状況についてしっかり把握してくれており、日ごろから付き合いもあるため相談しやすいと考える経営者は多いのではないだろうか?
確かに、銀行にM&Aの相談をするメリットはたくさんある。銀行に相談すると、M&Aに直接関係がない個人の悩みの解決もしてくれる可能性があることを皆さんはご存知だろうか?
そこで今回は、銀行が行っている経営者向けの個人向けサービスについて紹介する。銀行にM&Aの相談をする際の参考にぜひしていただきたい。
メガバンクの場合、傘下に銀行だけではなく証券会社や信託銀行、クレジットカード会社などあらゆる金融会社を取り揃えているため、個人の複雑な金融に関する悩みを解決してくれる。
例えば、お金を増やしたいニーズが経営者にある場合、すぐに、グループの証券会社を紹介してくれるだろう。また、相続に不安がある場合は信託銀行を紹介してくれる。
このように、M&Aの相談にとどまらず、個人の金融ニーズについてもしっかり答えてくれるのは大きなメリットだろう。特に、最近のメガバンクは、法人と個人を一体で取り扱うことに力を入れており、様々な金融サービスをワンストップで提供してくれる。
ついつい仕事が忙しいと後回しにしがちな個人の金融についての悩みも一度に解決してくれるのは、メガバンクにM&Aの相談をする大きなメリットの1つだろう。
経営者が、1億〜5億円以上の資産を保有している富裕層の場合、プライベートバンクや富裕層限定の会員制サービスを紹介してくれるケースがある。
プライベートバンクとは、簡単にいうと、一般には出回っていない特別な金融商品を提供してくれるサービスだ。担当者も非常に優秀でかつ基本的に転勤がないため何でも相談できるのが特徴のサービスになる。
また会員制サービスとは、レストランの予約や会員限定の特別なイベントなど様々なサービスを受けられるものだ。
振り込み手数料や両替手数料、外国送金なども無料になるケースもあるため、このようなサービスを多く利用する方にとっては大きなメリットになるだろう。
銀行にM&Aの相談をすると、経営者本人が富裕層の場合、このような特別なサービスを紹介してくれる可能性もあるのは大きなメリットだ。
今回は、銀行にM&Aの相談をするメリットについて経営者個人のメリットを紹介した。銀行にM&Aの相談をするメリットはたくさんあるが、経営者個人にとってもメリットになるのは非常にありがたいのではないだろうか。
普段仕事が忙しくてなかなか自分のことで時間をかけられない経営者は多いだろう。M&Aをきっかけに、ご自身の金融割の悩みを解決してくれるのはメガバンクならではのメリットではないだろうか。
文:渡辺 智(メガバンクに11年勤務。法人営業・個人営業に従事)