「駅の改札」「15分宅配」フードデリバリーの新スタイル続々と 

alt
写真はイメージです

1日の新規感染者数が10万人を超えるなど、新型コロナウイルス感染症の拡大が続く中、フードデリバリーの新しいスタイルが次々と登場している。

東日本旅客鉄道(JR東日本)<9020>は、精肉や鮮魚などの生鮮品やベーカリーなどをアプリで販売しているクックパッド<2193>と組んで、駅の改札でクックパッド商品の受け取りができるサービスにチャレンジするほか、インターネットサービスのヤフー(東京都千代田)、オフィス用品ネット販売のアスクル<2678>、出前仲介サイト運営の出前館<2484>の3社は連携して食料品や日用品を最短の15分で宅配するサービスの本格展開に乗り出した。

コロナ禍でフードデリバリーの利用者は増加しており、市場調査会社のICT総研(東京都中央区)によると、2022年のフードデリバリーサービス市場は前年度比11.0%増の6821億円に達する見込みという。

便利さを求める消費者のニーズが衰えることはないだけに、今後も新スタイルのフードデリバリーサービスが次々と誕生しそうだ。

仕事帰りに受け取り

クックパッドは、地域で有名な店舗や、農家のこだわり食材をアプリから購入できる生鮮食品ネットスーパーを運営しており、注文時に受け取り場所として駅の改札を選ぶと、仕事帰りなどに無料で商品を受け取ることができる。

今回はトライアルとの位置付けのため、磯子駅、小机駅、稲城長沼駅、府中本町駅の4駅だけが対象だが、JR東日本は駅の受け取り拠点化に向けたサービスの拡充を目指しており、他の駅にも広がる可能性は高そう。

数十カ所に倉庫を設置

ヤフー、アスクル、出前館の3社による配送サービスは、利用者が出前館のアプリでアスクルが販売する食料品や日用品を注文、決済すると、出前館の配達員が都内の倉庫で該当商品を受け取り、指定された配達先に自転車やバイクで届ける仕組み。

最短15分で商品を宅配するために、2022年度中に東京23区内を中心に数十カ所に倉庫を設け、2023年度以降も引き続きエリアの拡大を検討するという。

3社ではヤフーのブランド力、アスクルの商品調達力、出前館のユーザー基盤と配達品質を活かして、欲しいものが欲しい時に手に入る世界の実現を目指していくとしている。

文:M&A Online編集部