【上場企業】U‐NEXT HOLDINGSだけではない、こんなにあるよ4月の社名変更！

2024年度入りの4月に合わせ、社名を変更した上場企業は12社（一覧表）を数え、年明け1月の10社を上回る。日経平均株価の34年ぶり史上最高値更新、日銀のマイナス金利解除に伴う17年ぶりの利上げなど、日本経済が転換点を迎える中、新社名のもとで新たなスタートを切った。その顔ぶれとはー。

U‐NEXT HOLDINGSに変更

社名変更のタイミングは例年、4月が1月と並んで最も多く、1年の折り返しである7月、年度下期入りの10月が続く。昨年4月の場合は13社中、「100年企業」が5社含まれていたが、今年の12社にこうした長寿企業は見当たらない。

その中で最古参はUSEN‐NEXT HOLDINGSから社名を変更した「U‐NEXT HOLDINGS」。USENは1961年に創業した大阪有線放送社を起源とし、音楽配信のサブスク（定額料金）サービスの草分けとして知られる。

USEN‐NEXT HOLDINGSは2017年にUSENと動画配信サービスのU‐NEXTが経営統合して発足した持ち株会社。2023年3月、傘下のU‐NEXTが「Paravi（パラビ）」を運営するプレミアム・プラットフォーム・ジャパンと合併し、動画配信市場で会員約420万人の国内勢最大手となった。これにより、日本市場でトップに立つ米国発のネットフリックスを追撃する体制を整えた。

U‐NEXTへの変更は知名度向上に向けて社名をよりシンプルにし、新たな成長ステージに移行する狙いが込められている。

セゾン情報システムズは「セゾンテクノロジー」に変更した。DX（デジタル変革）のうねりの中、豊かな社会の実現に向けて技術を重視する会社であることを社名を通じて改めて示したという。

同社は1970年に西武流通グループ（当時）の情報処理会社として発足した西武情報センターが前身。今回の社名変更は1992年にセゾン情報システムズに改めて以来32年ぶりだ。

「ネクセラファーマ」に一新

「ネクセラファーマ」に一新したのは創薬企業のそーせいグループ。Next（次）とEra（時代）を組み合わせて命名した。同社は昨年7月、スイスの医薬品企業イドルシアから日本・アジア太平洋地域（中国を除く）の事業を約650億円で買収しており、次世代のヘルスケアをけん引する企業になるとの決意を込めた。

組み込みソフト開発などを主力とするsMedioは「GreenBee」に改めた。Greenは環境配慮の姿勢、Bee（英語でハチの意味）は協働の姿勢を表す。同社は2007年にビデェイスとして設立して以来、社名変更は今回が3度目。

会社設立から18年余りで5度目の社名となったのが不動産テック企業の「robot home」。昨年11月にコーポレートロゴをリニューアルしたのを受け、従来社名のRobot HomeのRとHを小文字にした。

同社は2006年にフルキ建設として設立後、インベスターズ、インベスターズクラウド、TATERUを経て2021年にRobot Homeに改めていた。

持ち株会社制への移行に伴う社名変更は4社。このうち、音楽番組供給のスペースシャワーネットワークはファンクラブ運営などのSKIYAKIとの経営統合（4月1日付）を踏まえ、「スペースシャワーSKIYAKIホールディングスネットワーク」として持ち株会社化した。

レスター、持ち株会社制を廃止

一方、エレクトロニクス商社のレスターホールディングスは持ち株会社を廃止し、社名からホールディングスを外した。人材など経営資源の最適配分や意思決定の迅速化、機動的な事業運営などが狙い。同社は2019年にUKCホールディングスとバイテックホールディングスが経営統合して発足したが、分社体制のもとで近年、機能の重複や人材不足などが顕在化していたという。

続く5月には焼き鳥店を展開する鳥貴族ホールディングスなど3社が社名変更を予定している。鳥貴族は米国やアジアでのグローバル展開を見据え、「エターナルホスピタリティグループ」に名前を一新する。

◎2024年4月：上場企業の社名変更（証券コードの順）

文：M＆A Online

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