12月1日から始まるmineo「格安5Gサービス」は買いか?

alt

「mineo」ブランドで格安スマホサービスを展開するMVNO(仮想移動体通信事業者)のオプテージ(大阪市)は2020年12月1日から、NTTドコモ、au(KDDI)、ソフトバンク3社の回線で第5世代移動体通信(5G)サービスの提供を始める。

5G追加料金は月額200円

現行の第4世代移動体通信(4G)LTEの料金に月額200円(税別)を上乗せするだけ。au回線を利用する「Aプラン」では月間通信容量3GBなら月額1710円、同6GBなら2390円で利用できる。キャリア(通信事業者)のauでは「ピタットプラン 5G」が同1GBで1980円、同4Gで2980円だから割安なプランといえるだろう。

ドコモやソフトバンクの回線でも、キャリアが提供するプランよりも割安に設定している。とはいえ、全てのユーザーにおすすめできるわけではない。

まずは5G通信対応端末を持っていないと話にならない。5G契約をしても非対応端末では4G通信のままで、200円のオプション料金をドブに捨てることになる。アップルの「iPhone」であれば、最新の「12」シリーズでないと利用できない。

次にドコモ回線とau回線を格安スマホをデータ通信のみで利用している場合、5Gオプションは使えない可能性がある。ドコモ回線を使う「Dプラン」の場合は「シングルタイプSMS機能有りではご利用いただけません」、Aプランの場合も「au VoLTE対応SIMのご利用が必要となります」と明記されている。

音声通話とデータ通信を組み合わせた「デュアルタイプ」での契約が無難だろう。契約変更に当たっては、有償でのSIM買い替えが必要になる場合もあるので注意したい。

最大のネックはサービスエリアの狭さ

最も心配なのはサービスエリアだ。各社ともエリア展開は「まだまだこれから」の状態だ。業界リーダーのドコモですら、現時点での5Gサービスエリアは東京都心でもまばらで、「点在」している状況にすぎない。今すぐ使い物になるとしたら、お台場エリアの一部ぐらい。ここに職場か住居があれば「買い」だろう。

サービスエリアの狭さはmineoも自覚しているようで、契約から6カ月間は5Gオプション料金が無料となっている。とりあえず利用場所が5Gサービスエリアかどうか、実際の通信速度はどれぐらいかを「お試し」してみるのも悪くない。

赤い部分がドコモの5Gサービスエリア。東京都心でも一部に限られている。(ドコモホームページより)

注意したいのは現在も第3世代移動体通信(3G)通信エリアでスマホを利用するドコモユーザーだ。 Dプランの場合、5Gサービスを契約すると3GのFOMA通信が利用できなくなる。現在、ドコモの4Gは全国のほぼ全域をカバーしているが、過疎地や山間部、離島の一部では3Gしかつながらないエリアもある。そうした地域に足を運ぶ機会が多いユーザーは慎重に判断すべきだろう。

文:M&A Online編集部